無人給油

主に軍用機に燃料補給する『空中給油機』について、エアバス社によるとブームという給油管操作を全自動化することに成功したと発表しています。

Airbusは9日、A310の空中給油機版となるA310MRTTを用いたポルトガル空軍のF-16戦闘機に対する自動空中給油の試験に成功したことを発表した。現行の空中給油は、熟練したオペレーターによる給油ブーム操作が不可欠となっており、今回の実験成功により、無人機版空中給油機の実現に向けた大きな前進が遂げられたこととなる。

Business Newsline


こちらが自動給油システムを搭載した空中給油機『A310MRTT』と、給油を受けるポルトガル空軍のF-16の映像です。映像を見ても分かるように自動給油システムは戦闘機の形状、及び燃料口の位置を画像判断し給油管(ブーム)の位置を調整し給油するというものになります。

空中給油機から伸びるブームの操作はブームオペレーターという有人操作により行なわれていました。エアバス社によると試験された自動給油システムは現在運用中の有人給油システムのままハードウェアを追加することなくソフトウェアのアップデートのみで提供可能だと説明しており、オペレーターの仕事量の削減や将来的には無人自動給油技術に繋がるシステムとなるとのことです。

▼現在運用されているブームオペレーターによる操作
ブームオペレーター
エアバスによると、今後も試験を続け2019年を目処に現在運用されているA310MRTTに自動給油をシステムを導入する方針としています。

自動空中給油については2012年に国防総省高等研究計画局(DARPA)がRQ-4 グローバルホークを使用した無人による無人機への自動給油が行なわれています。この給油方法はブームオペレーターが不要なプローブアンドドローグ方式であり、エアバス社が行なったフライングブーム方式による無人給油につては史上初ということになります。

無人機による空中給油
▲プローブアンドドローグ方式による無人機の空中給油