SLS

スペースシャトルに替わる有人ロケットとして開発が進められている次世代ロケットSLS(スペース・ローンチ・システム)について、NASAは今年になり計画されていた初号機で有人打ち上げが計画されていたことについて従来通り無人打ち上げで行う方向で決定されたと報じられています。

NASAが現在開発している、次世代大型ロケット「SLS(スペース・ローンチ・システム)」。その初打ち上げではトランプ政権下のもと有人打ち上げも検討されていたのですが、NASAは初回打ち上げに宇宙飛行士を搭乗させないことを正式に発表しました。

NASAのRobert Lightfoot氏はカンファレンスにて、「有人での打ち上げは技術的に可能だが、最初の計画通り初回打ち上げは無人で行うことにした」と語っています。

sorae.jp
スペースシャトルに替わるロケットとして開発されているのはSLSという大型ロケットです。本来であればシャトル引退に引き継ぐ形でロケットと有人宇宙船『オリオン』を運用する計画だったものの相次ぐ開発の遅れと大幅な方針変更があり、シャトル引退後現在に至るまでアメリカは有人打ち上げは実施できおておらずこの打ち上げはロシアが運用するソユーズ宇宙船の座席枠を購入する形で行なわれてます。



SLSは2019年にEM-1という月軌道を周回し地球に帰ってくるという試験を実施予定で、今年に入ってトランプ政権からEM-1を有人により行うとの要請があったとNASAは明らかにしています。これは単にトランプ大統領自身の実績の1つとして任期中に有人打ち上げを目指したいという意図があったと言われているのですがNASAによるとEM-1は当初の予定通り無人打ち上げで行い、続くEM-2で初の有人打ち上げを行うという計画で実行すると正式に発表しました。

EM-2による有人打ち上げは2021年という時期に行う予定であり言い換えればこの間の有人打ち上げは引き続きロシアに頼るか国内の民間企業のスペースXやボーイングに任せることになるということになります。
何れにしてもロケットと有人宇宙船の開発が遅れれば2021年という時期も延期されることが十分に考えられ、これが続くことでアメリカによる有人火星探査もスペースXを軸しとた民家企業に先を越されるという絶対に避けたい事態が現実味を帯びてくることになります。