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様々な分野で研究を行っているのは科学者です。性別、年齢、もちろん顔つきもバラバラなのですが、イギリスの大学によると科学者の顔つきだけで研究内容の質が評価されてしまうという論文が発表されました。これによるとイケメンだったり美人科学者は研究内表が重視されにくいとしています。

研究を行ったのはエセックス大学で社会心理学を研究するAna Gheorghiu氏らのチーム。Gheorghiu氏らは、どのような顔が「優れた科学者」像と関連づけられるのか?ということを明らかにするため、アメリカとイギリスで活動する実在の科学者1000人の顔写真を3700人の被験者に見せ、「魅力」「倫理性」「知性」「社交性」などの点について評価してもらいました。そして、それと同時に「この人が行う研究にどれくらい興味がありますか?」「この人はどのくらい正確で重要な研究を行うように見えますか?」ということについても尋ねました。

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エセックス大学が行なった調査によると「知的」であり「倫理的」だと評価された科学者は一方で「魅力的ではない」「社交的ではない」と評価される傾向が高いことが分かったそうです。また自身の研究について興味をもってもらえるのは『魅力的』つまりイケメンや美人研究者なのですが、肝心の研究内容は重視されにくいという傾向があったとしています。
これ以外について、欧米の被験者からはアジア系の科学者がより質の高い研究を行っているという印象をあたえ、若い人よりも年配者、女性よりも男性のほうが研究の興味を引きやすかったといいます。

言い換えれば研究内容がどのようなものであってもまずはその人の見た目で判断されてしまうというバイアス(偏見)が生まれていることの証明だとしており、政府や科学政策にも影響を与える可能性があると指摘しています。ちなみに、研究内容に最も興味を持ってもらえるのは魅力的で有能で倫理的に見える人物としています。

人は顔つきにより良いようにも悪いようにも判断されてしまうというのは複数の研究で明らかになっており、米コーネル大学が行なった研究によると法廷の場ではイケメンはブサメンに比べ有罪になる可能性が22%低く、また懲役期間も平均して22ヶ月短い(ただし軽犯罪に限る)ということも明らかになっています。