
インドの宇宙機関にあたるインド宇宙研究機関(ISRO)は今月5日、GSLV IIIを使用した自国の通信衛星『GSAT-19』を打ち上げ、成功したと発表しました。今回は2度目の打ち上げとなったロケット『GSLV-III』についても紹介していきます。
インド宇宙研究機関(ISRO)は6月5日(現地時間)、「GSLV Mk-III」ロケットの打ち上げを実施しました。人工衛星は予定された軌道へと無事投入されています。ISROが運用するロケットで最も強力なGSLV Mk-IIIの打ち上げ成功は、有人宇宙探査をも視野に入れる同国にとって大きな第一歩となりそうです。
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今回打ち上げられた『GSAT-19』という人工衛星は“衛星間通信”を行う通信衛星の1つです。質量は3.1トン、地上約36,000kmの静止軌道に投入されされました。
この通信衛星を打ち上げたGSLV Mk-III(GSLV III)は2014年12月に初号機が打ち上げられた大型ロケットで有人宇宙船の打ち上げの実施も可能なロケットとして開発されました。今回の打ち上げは同ロケットとしては2度目となります。
▼GSLV Mk-IIIのリフトオフ、中央のコアロケットは燃焼しない

GSLV Mk-IIIはコアロケットの左右に補助ロケットを搭載した一般的な形状をしているものの打ち上げ方法は大きく異なっています。
上の動画ではわかりにくいのですが打ち上げ後、中央のエンジンは燃焼していないことが確認できるかと思います。GSLV Mk-IIIはこれが正常な打ち上げで左右の補助ロケットに見えるものが第1弾ロケットとなっており燃焼終了前に中央のコアロケットに点火します。これが実質的な第2弾ロケットとなっており第1弾ロケットを分離し、更に分離し上段の第三弾ロケットで人工衛星を軌道に載せます。
参考として左右の第1段の燃焼時間は130秒、中央のコアロケット(第二弾ロケット)は打ち上げ開始から114秒後に燃焼を開始します。つまり16秒ほど第1段とコアロケットが同時燃焼するという打ち上げ方法が採用されています。
GSLV Mk-IIIは2018年3月にGSAT-20の打ち上げを予定しています。