「恐竜といえばティラノサウルス」と表現が正しいのかは分かりませんが、映画などでも高確率で登場する恐竜で知られています。このティラノサウルスについて近年羽毛で覆われていた可能性が高いとする研究が発表されていたものの、そうではなく従来のようにほぼウロコで覆われていたとする研究が報じられています。
大型肉食恐竜ティラノサウルス・レックス(T・レックス、Tyrannosaurus rex)は鳥類のような羽毛ではなく、爬虫(はちゅう)類に見られるうろこに覆われていたとする研究結果が7日、英国王立協会(Royal Society)の専門誌バイオロジー・レターズ(Biology Letters)に発表された。今回新たな研究としてティラノサウルスの肌に関して爬虫類のようなウロコ、ワニのように硬い皮膚からなる皮膚『鱗板』で覆われていた可能性があるという研究結果が報告されているそうです。
AFPBB News
アルバータ大学(カナダ)を中心とした古生物学者チームの国際チームは今回ティラノサウルスの首の表皮、骨盤、尾の標本とその近縁種の標本を含めティラノサウルス科に属する皮膚の状態についてデータベース化し調査を実施したといいます。
その結果として、はるか昔から生息していたティラノサウルス科の恐竜にあった広範囲を覆う羽毛は白亜紀末に登場したティラノサウルスと近縁種の共通の祖先から既に失われていたと結論付けています。
ただし、完全に羽毛が失われたということではなく大型のティラノサウル科の恐竜であれば背中の一部に生えいてた程度と説明しています。
▼羽毛で覆われたティラノサウルスのイメージ
恐竜の羽毛については2012年、モンゴルで発掘された全長9m近い恐竜に羽毛が生えていた痕跡が見つかったこともありティラノサウルスといった大型恐竜にも羽毛が生えていたのではないか言われていました。当時から羽毛は全身ではなく背中や首元などとCGで表現されることが多かったのですが、特に近年では羽毛が特に注目されたこともあるのかティラノサウルスの小さい手に鳥のような羽が付けられるなど信じがたいものも登場していました。
また『恐竜と羽毛』については古いものでは1億6000万年前に生息していた初期の恐竜からも痕跡が見つかっているなどほぼ全ての恐竜に羽毛があったのではないかという説もあります。しかし羽毛の量については私達『哺乳の毛』と同じように小型の哺乳類犬や猫ではほぼ全身に、人間やゾウなどより大型になるにつれ毛の量が少なくなるのと同様の傾向があったのではないかとも言われています。(参考)