
イタリアのアグスタウェストランドが開発している民間ティルトローター機『AW609』についてアメリカ陸軍は機体の導入の可能性について評価を行う情報収集を始めたなどと報じられています。
ヘリコプター大手のAgustaWestlandが民生用ティルトローター機として開発を進めているAgustaWestland AW609について、US Armyが導入を行うことが可能か、評価のためのデータ収集に着手したことが専門誌報道で明らかとなった。アグスタウェストランドが開発しているAW609はオスプレイのようにV-22 オスプレイのようにローターを傾けることで垂直離着陸から航空機のように高速飛行を可能とするティルトローター機です。AW609は2003年3月に初飛行した機体で、旅客輸送として開発されており乗員は最大で9名、最高速度は500km、航続距離が1,500kmとヘリコプターに比べ高速かつ長距離飛行が可能な機体です。
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記事によるとこの機体について米陸軍はオスプレイよりも燃費効率が高くAW609と使い分けることにより運用効率の向上を図るためAW609の導入・運用は可能か評価を行うと報じています。米陸軍については同じくティルトローター機のベル・ヘリコプター V-280、としてシコルスキー・エアクラフト及びボーイングの複合ヘリコプターS-97 RAIDERの導入計画が進められています。
AW609は元々V-22開発の経験を活かしベル・ヘリコプターとボーイングと共同で民間機として開発を進めていたものです。しかし、ボーイングが抜けベル・ヘリコプターとアグスタウェストランドと共同開発を続けたものの次にベルヘリコプターが抜けアグスタウェストランドが単独で開発を続けています。
現在まで4機の試作機が開発されているものの2015年10月末、試作2号機が飛行中に墜落しパイロット2名が死亡する事故を起こしています。