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国内の複数メディアによると宇宙航空研究開発機構(JAXA)はアメリカの計画に参加する形で日本人の有人月面探査を2030年に実施すると報じられています。有人宇宙船を保有していない日本がどのように月面に向かうのか。アメリカが建設しようとしている『月の宇宙ステーション』を中継基地にするという案で構想が進んでいるとしています。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は28日、2030年に日本人宇宙飛行士による月面探査の実現を目指す方針を明らかにした。米国が月の周回軌道に建設する新たな宇宙ステーション計画に参加し、月面到達の機会獲得を図る。同日開かれた文部科学省の小委員会で報告した。

産経ニュース
まず「米国が月の周回軌道に建設する新たな宇宙ステーション計画」とは『ディープ・スペース・ゲートウェイ(DSG)』というもので、これは最終的に有人火星着陸を行う中継基地として利用される月軌道上の宇宙ステーションです。

ディープスペースゲートウェイ_1

これまでディープ・スペース・ゲートウェイを利用し月面へのロボット及び有人探査を行う中継基地としても利用を検討するということは一応言われていたものの、JAXAとしてはこの計画に参加し2019年度に実施する無人探査機「SLIM」の技術を用いて月軌道上の宇宙ステーションと月面を行き来可能な月面着陸機を目指すとしています。


ディープ・スペース・ゲートウェイは現在の予定として来年2018年から2026年に4回の打ち上げを実施し完成させます。2027年以降は有人のオリオン宇宙船をドッキングし1年あまりの長期滞在を実施。合わせて有人惑星探査機『ディープ・スペース・トランスポート』を打ち上げドッキングし2030年以降の有人火星探査計画に備えます。



地球とディープ・スペース・ゲートウェイ間はSLSというNASAが開発中の大型ロケットを使用し有人宇宙船オリオンを打ち上げドッキングします(民間ロケットと宇宙船の利用も考えられます)。ただ、具体的にNASAが月面有人探査を行うと発表はしていないと考えられ、JAXAとしては建設計画に参加しさらに無人探査技術で月面探査計画に貢献することで将来的に日本人宇宙飛行士の月面到達を計画しているとのことです。

有人月面着陸ではなく『有人月面探査』としていることから船外にでて何らかの活動を行うことになるのですが、その場合は宇宙服などの装備も必要になってくるため2030年に実施するには早急に準備にとりかかる必要があると考えられます。