
今年5月、欧州を中心に身代金要求型ウイルス(ランサムウェア)、「WannaCry(ワナクライ)」に感染し病院なども混乱が生じた出来事がありました。その後、このウイルスの停止させることに成功したマーカス・ハチンス氏が、過去にマルウェアという不正ソフトを製造していたいう容疑で逮捕されたと報じられています。
イギリスの病院やスペインの通信社、日本の自動車メーカーの生産ラインをシステムダウンさせるなど世界中で被害を発生させたマルウェア「WannaCry」の拡散を止めて一躍ヒーローになったイギリス人のセキュリティ研究者が、アメリカ滞在中に逮捕されたことが明らかになりました。今年5月、世界規模で拡散した身代金要求型ウイルス「WannaCry(ワナクライ)」の被害。このWannaCryとは感染後PC内のファイルを暗号化し使用できなくした上で「復元したければお金を払え」と脅迫してくるウイルスです。
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その後、セキュリティ対策企業に勤めるイギリス人のマーカス・ハチンス氏によりWannaCryの活動を停止させる方法を発見し被害拡散を防いだということから業界では有名な人物だったらしいのですが、米ラスベガスで開催されていたセキュリティカンファレンスからの帰宅後にFBIに逮捕されたとのことです。
米当局によると、ハチンス氏は2014年~15年の1年間に金融機関のアカウント情報やクレジットカード情報を盗み出す不正ソフト「Kronos」を製造・拡散、また販売したなど6つの容疑をかけられているとしています。
彼が本当に不正ソフトを開発していたのかという点について周囲からは否定的な意見が寄せられており、この手のソフトの不正を阻止する側の人間だったとも言われているようです。またWannaCry騒動ではその功績が認められサイバーセキュリティー団体から1万ドルの報奨金が与えられたものの褒賞金は慈善団体に全額を寄付していたとのことです。