コズミックガール

ヴァージン・ギャラクティックから分社化しヴァージン・オービットが計画している大型旅客機ボーイング747-400からの人工衛星打ち上げについて、その母機となる『コズミックガール』がカリフォルニア州の空港に到着したと報じられています。

Virgin Galacticから派生した商用ロケット打ち上げ企業Virgin Orbitの空中発射型ロケット用母船「Cosmic Girl」が7月31日、カリフォルニア州にあるロングビーチ空港に到着した。Cosmic Girlは、B747の主翼の片側にロケットを取り付け空中発射を行うためのランチャーを装着した空中発射型ロケットの母船となる。

Business Newsline
米カリフォルニア州ロングビーチ空港に到着したのは見た目は普通の旅客機と変わらないボーイング747型機です。実はこの機体、人工衛星を打ち上げるロケット『ランチャーワン』を搭載しミサイルのように空中発射するという任務に使用されます。

打ち上げ計画を進めているのは民間宇宙旅行計画でお馴染みのヴァージン・ギャラクティックから今年分社化したヴァージン・オービットです。



記事によると今後の予定としては近く同機のランチャーワンを実際に搭載した飛行試験等を繰り返し早ければ来年中にも同機とランチャーワンを使用した人工衛星打ち上げを実施するとしています。同社はOneWebから39回の衛星打ち上げを受注しています。

具体的な性能については過去に発表されていたものによると通常の旅客機並の高度10,000mまでロケットを抱え上昇。その後、ロケットを切り離し第一弾エンジンを燃焼させ宇宙へ衛星を送り込みます。打ち上げ能力としては重量200kgの太陽同期軌道へ打ち上げを1,000万ドル以下(約11億円以下)で提供すると説明しており最大400kgまで拡張するオプションも容易するとしています。

▼コズミックガールの原型
747-400

母機となる『コズミックガール』は元々は旅客機エンジンの輸送に使用される特殊機であり通常4つのエンジンにプラス1基の新品エンジンを機体外部に接続し乗客も載せた上で輸送するという機体です。
ヴァージン・オービットはこの仕様に目をつけこれまで1年に渡り改造を行い、輸送エンジンの取り付け位置の強化・改良し空中発射機能を搭載したものが『コズミックガール』になります。