ブラックホール

太陽よりも重い天体が超新星爆発を起こした結果、形成されるのはブラックホールや中性子星という奇妙な天体です。シミュレーションの結果、この両者が衝突した場合、大量の金とプラチナなど重い元素を宇宙に撒き散らしつつ融合していたことが分かったと報じられています。

米ローレンス・バークレー国立研究所が、中性子星がブラックホールに取り込まれる様子をコンピューターシミュレーションで再現した研究を発表しました。このシミュレーション結果は、実際にそのイベントが発生した際の重力波観測に役立てられます。

Engadget
今回行われたシミュレーション結果としてブラックホールと中性子星の連星が接近していった場合、中性子が飲み込まれた直後、時間にして1/1000秒という極めて短い時間に鉄よりも重い金やプラチナ、さらに重い放射性物質を宇宙空間に撒き散らしていたことが分かったとしています。
撒き散らされる量は推定で太陽質量のおよそ1/10、地球質量のおよそ10万倍ほどの量になるとのことです。

中性子星とブラックホールは何れも太陽よりも重い恒星がその一生を終えるときに形成される天体です。太陽は赤色巨星になりつつ白色矮星という天体になり、太陽よりも8倍~29倍程度の天体では赤色超巨星になった後に超新星爆発を起こし直径中性子星となります。さらにこれよりも重い恒星では超新星爆発の後にブラックホール(恒星ブラックホール)が形成されると考えられています。

それぞれの天体について巨大な恒星ほど最後には小さく重い天体になります。
白色矮星…直径4,000km~1万km程度、質量は太陽質量の数分の1~1倍
中性子星…直径10km程度、質量は太陽質量0.1~2.5倍
ブラックホール…直径数km、質量は2.5倍以上

金やプラチナはこれまでは超新星爆発と同時に作られたと言われていたものの近年の研究では中性子星同士が合体する過程で大量に作られたと考えられています。