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今年2月に発見されたTRAPPIST-1(トラピスト)星系の新しい惑星。この星系について実は太陽系よりも古い時代に誕生したことがわかり、そこにある惑星も過酷な環境に晒されている可能性があるとする最新の研究が発表されています。

水瓶座の方角にあるトラピスト-1という恒星を観測した結果、4つの新たな惑星発見を含め7つの岩石が惑星公転していることがベルギーのリエージュ大学とNASAが共同で明らかになりました。
実はこの惑星系は非常にコンパクトで太陽にあたるトラピスト-1は木星のわずか1.1倍のサイズ、太陽質量の0.08%しかなく地球サイズの惑星がまるで衛星のように7つも公転しているという奇妙なものでした。

そのため非常に注目された星系なのですが、最新の研究によるとこの星系は誕生してから54億~98億年が経過していると見積もられ太陽系(46億年)よりも遥かに年上の星系だということが分かったとしています。

TRAPPIST-1の惑星系は太陽系よりも古いと判明。生命には厳しい環境も、存在可能性は否定せず - Engadget 日本版

▼左から木星と衛星の距離、トラピスト-1と惑星の距離、太陽系と水星の距離
TRAPPIST-1と木星、太陽比較_1

発見当時の観測から内側から4番目、5番目、6番目(トラピスト-1e、-1f、-1g)は生命居住可能領域、ハビタブルゾーンを公転していると言われいたものの恒星から極めて近くを公転しており高エネルギー放射線に晒されている他、惑星の大気や水分の多くが吹き飛ばされてしまっている可能性があるとしています。
研究チームによると仮に生命が存在していた場合は非常に「我慢強い」生物であるはずだと説明しています。つまり、私達のような知的生命体や大型の動物はいないかもしれないものの何らかの原始的な生命が誕生している可能性はゼロではないということです。

トラピスト-1星系にはどのような環境が広がっているのか。現在の観測では生命が存在しているのかどうかは想像するしかないのですが、今後より詳細な観測が行なわれることで新たな発見があるのかもしれません。