Taurus KEPD 350_1

韓国軍が保有する各種兵器なかでちょっと変わった爆弾『タウルス』があるのはご存知でしょうか。地下シェルターで身を潜めるの金正恩委員長を狙える他、多数存在する地下施設を破壊するため導入されたものです。今回は知られざるタウルスの威力について紹介していきます。

韓国が2013年に導入を決定し2016年末に実戦配備したのは地中貫通爆弾の一種である『タウルス KEPD 350』という兵器です。これは現在ドイツ、スペイン、そして韓国に数百基しか配備されていないステルス性能も備えた最新鋭の空対地巡航ミサイルです。

この巡航ミサイルはタウルス・システム社が開発したもので、タイプにより戦闘機や輸送機、車両や艦艇から装置から発射することが可能なシステムです。その中でも最も普及しているのは戦闘機から発射される『タウルス KEPD-350』になります。



タウルス KEPD-350の射程は500kmとされ北朝鮮との国境付近から発射した場合、北朝鮮のほぼ全域に対し攻撃が可能です。

発射後タウルスは高度を落とし地上40m付近の低空を740km/h~1,100km/hで高速飛行します。その後、地形に沿うに飛行しターゲット付近で急上昇。その後急降下しタウルス中央に収めらた重量500kgの弾頭を地中に送り込みます。
貫通力はカタログスペックとして強化コンクリートで最大6メートル、一般的な鉄筋コンクリートの建物であれば最大で36m。弾頭は貫通した後に起爆するよう設定されています。

▼コンクリートの橋に対する攻撃試験、右下の赤枠は貫通した弾頭部分
Taurus KEPD 350_3

▼赤枠で囲った部分が実際に貫通する弾頭
Taurus KEPD 350_2

タウルス KEPD-350は攻撃する対象に合わせ角度を調整することができ例えば地下に設けられたシェルターであればほぼ垂直に近い角度で、航空機等が駐機する鉄筋コンクリート製の建物であれば45度、山の内部に作られた車両基地等であれば超低空飛行した後、出入り口となっている扉を貫通、起爆することで無力化することも可能です。



タウルスシステムは戦闘機から発射するKEPD-350以外も複数派生型が開発されています。弾頭を小型化した『KEPD-150』、輸送機から投下可能な『タウルス T』、補助ロケットの助けを借り車両や艦艇から発射可能な『タウルス CL』、地中貫通能力を無くし通常の巡航ミサイルとしてクラスター爆弾を搭載可能な『タウルス M』、高出力のマイクロ波放射を放出する『タウルス HPM』、その他にも爆弾を収めるスペースに様々な物を収めることができる『タウルス MP』があります。

仮に北朝鮮と軍事衝突が発生した場合は多数存在していると言われる北朝鮮の地下施設を叩く必要があるため続く任務の遂行に極めて有効的な攻撃手段になると考えられます。