2016年5月、アメリカの電気自動車メーカー『テスラ』が開発した車種『モデルS』を使用した自動運転を使用した交通死亡事故に関して、ドライバーに過失があったとする一方でシステムを開発したテスラ側にも一定の責任があるという調査結果が報じられています。
米国家運輸安全委員会(NTSB)は12日(現地時間)、2016年5月にフロリダ州で発生したトラックと自動運転車の衝突でTesla車のドライバーが死亡した事故について、部分的にTeslaの責任を指摘する調査結果を公表した。調査では、衝突の原因は自動運転システムを過信したドライバーの不注意としつつも、誤った使用のできる自動運転システムのデザインにも問題があると指摘した。この事故は2016年5月にテスラのモデルSという電気自動車を乗っていたドライバーが前方を横断するトラックにノーブレーキで突っ込み発生した死亡事故です。この死亡事故に関して、記事によるとドライバーが当時使用していた自動運転の時間『37分』のうちハンドルを握っていたのはわずか『27秒』だったとしており、ドライバーが警告を無視したことで発生したと結論付けています。
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ただ、テスラ側にも一定の責任があるとしておりドライバーがハンドルを握らなくても自動運転ができる仕様で結果的にドライバーの過信に繋がったというものです。
当時モデルSに適用されていた自動運転技術とは私達が想像するような無人で全ての運転を行ってくれるというものではなく、『半自動運転』と位置づけていました。テスラ側もどのような状況でも車をコントロール下に置く必要があると当時から声明を発表しており、実車においてもオートパイロット機能をONにした時はハンドルを握るよう警告する音声とメッセージが表示されるようになっていました。
▼警告を無視した自動運転を披露するYoutubeユーザー
しかし、当時は半自動運転が珍しいこともありYoutube上では警告を無視する形で手放し運転を行う動画が多数投稿され続けていました。もちろん、死亡事故を起こしていた男性もそのような動画をアップロードしていたことが後に明らかになっています。
テスラ側は今回の判断を受け自動運転中にハンドルから手が離れていることを検出するアラートの間隔を短くしたり、道路の状況に応じてアラート間隔を調整するなどの対策を講じるとしています。