
アメリカの民間宇宙企業スペースXは、先日開催された国際宇宙会議(IAC)でファルコン9ロケットの実質的な後継機にあたるビッグ・ファルコン・ロケット(BFR)を発表しました。このロケットは旅客機程度の運賃で地球上を1時間以内繋ぐ旅客輸送用としても開発されるとしています。
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こちらがイーロン・マスクCEOにより発表されたBFR構想です。BFRは多岐にわたる運用が行われる予定でこれまでファルコン9ロケットが行っていたような人工衛星の打ち上げから、月や火星への有人着陸、またロケットと宇宙船の再利用を活かした旅客用としての運用が計画されています。
BFRについてその形が昨年発表されたインタープラネタリー・トランスポート・システム(ITS)に非常似ているのですが、実はその通りでITSを小型化したものがBFRであると説明しています。
まずこちらの動画は大陸間の移動用に計画されているBFRの運用です。このように打ち上げ機と宇宙船の2つで構成されており、打ち上げ機は燃焼終了後分離し地上または海上に落下し回収、再利用されます。乗客を載せた宇宙船は宇宙船空間を飛行し降下、着陸します。その後、宇宙船は着陸場に置かれた打ち上げ機に取り付けられ再び別の地域に移動するというものになっています。
イーロン・マスクCEOによると運賃は一般的な旅客機の『full-fare economy class』とほぼ同等の費用になると主張しており、飛行中の重力加速度は2~3G程度(遊園地のアトラクション程度)と表現しています。
BFRはこれ以外も月や火星などに人類を送り込むことが可能なシステムとなっています。
▼月面に着陸したBFR

▼BFRにより火星入植を初めた人類


このような惑星・衛星開発についてBFR単体では行うことは不可能であることが示されおり、具体的には月面飛行では1回、火星着陸では合計4回の燃料補給を宇宙空間で行う必要があるとしています。
▼宇宙船と補給船をドッキングし燃料補給を行います



まるでSF映画にありそうな構想となっているのですが計画は順調に進むのか。スペースXによると5年以内にBFRを打ち上げると発表しています。