F-15K

故障した機種に同じ機種の部品を取り外し修理・整備するという方法があります。実は韓国空軍の戦闘機でもこれが実際に行われ部品を外れてしまった機体が飛行不能になるという状況が悪化していると報じられています。

韓国メディア『東亜日報』によると、自由韓国党のキム国会議員が空軍から提出を受けた資料としてF-15Kにおける『修理部品の不足に起因する飛行不能(G-NORS)』が2015年の50件から2016年には上半期だけで60件に急増していた実態を明らかにしました。

[단독]유사시 어쩌려고… F-15K 툭하면 ‘비행불능’

記事によると、故障した機体の部品の調達から出撃までの飛行不能日数は2015年と2016年の同じ時期の比較として7.9日から16.8日に増加しており、キム議員によると「空軍が故障した部品を他の機体から使いまわす方法で運用していることが原因だ」と指摘しています。
またF-15K以外のKF-16についても『特定の任務を遂行不可(F-NORS)』が2015年の234件から今年上半期では157件発生しており増加傾向がみられるとしています。

▼F-15K
F-15K_1

キム議員によると仮に戦争が勃発した場合は全ての航空機が投入され爆撃を実施することになるもののG-NORSやF-NORSが発生していては作戦が制限されると話し「『平時の運用では問題はない』からと安心してはならない」と指摘しています。

韓国における共食い整備に関しては今になって問題になったわけではなく、2014年時点で産経新聞が朝鮮日報を引用する形で報じられていました。それによると共食い整備された回数はF-15Kでは過去4年間で528回、これは1機あたり8.8回に達する回数でした。また韓国空軍における他の機種を含めた共食い整備は同じ期間で1182回となり、うちF-15Kが44%を占めていたことも明らかになっています。

F-15K


戦闘爆撃機『F-15E ストライクイーグル』の改修型。F-15Kは2005年3月に初飛行しこれまで60機を調達しています。