オウムアムア_1

今年10月19日に発見された『1I/2017 U1 オウムアムア』という小惑星。観測史上初、太陽系の外からやってきた恒星間天体(Interstellar object)で太陽を通過し大きく進路を変え遠ざかっています。この天体について観測の結果、非常に長細い形状をしている小惑星であることがわかりました。

ヨーロッパ南部天文台が運用する超大型望遠鏡VLTの観測結果によると、1I/2017 U1 オウムアムアという極めて珍しい天体について奇妙な特徴があることが分かったと発表しています。通常、小惑星は球体に近い形状をしているものの、非常に長細い形状をしている可能性が高いというものです。

Earth's First Known Interstellar Visitor Unmasked

▼オウムアムアの想像図
オウムアムア

なぜそのような観測結果がでたのか。カリフォルニア大学ロサンゼルス校などが行った観測によるとオウムアムアはハレー彗星のように太陽に近づくにつれチリを出し『尾』を全く作っていなかったことがわかっていたそうです。その為、岩石と金属を主体にする小惑星であると考えらています。

その上で、可視光から近赤外線による観測データーによると明るさが不規則に変化していたことなどから球体ではなくアスペクト比が1:10、つまり縦が1に対して横が10倍長いという奇妙な形をしていた可能性があるとしています。また超大型望遠鏡VLTの観測結果によると輝度は7.3時間ごとに最大で10倍の変化していたとしており、くるくると自転していたことも明らかになっています。

オウムアムアのサイズは160m~400m程度と考えられています。



オウムアムアは二度と太陽系に接近することはないと考えられており現在は地球から見てペガスス座の方向に移動しています。

今回極めてレアの小惑星が見つかったことについてはもちろん初めて太陽系にやってきた恒星間天体ではなく観測装置の性能という理由から発見できずにいました。ただ、近年はパンスターズ (Pan-STARRS)など強力な光学望遠鏡が建設されており年間に1個程度の恒星間天体が観測されるのではないかと予想されています。