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中国航天科技集団第一研究院が発表したのは2017年~2045年にかけての長期の宇宙開発ロードマップです。これは惑星探査や研究ではなく『宇宙輸送』、地球から宇宙に出る手段についての発表が中心となっているのですが宇宙エレベーターや原子力ロケットが登場するなど興味深い内容となっています。

先日、北京市で開催されたのは宇宙輸送システム開発フォーラムです。そこでは中国の国営企業でロケットの打ち上げから開発を行っている中国航天科技集団公司による「宇宙輸送システム ロードマップ 2017-2045」が発表されました。

中國擬研核動力穿梭機 4小時飛抵月球|即時新聞|大陸|on.cc東網

中国メディアによると、まず第一目標として2020年までに『長征8号(长征八号)』という新型の低コスト中型ロケットの運用を目指すとしており、合わせて世界の人工衛星打ち上げサービスを開始するとしています。

▼右の模型が長征8号
長征8号

続いて第二目標としてロケットの再利用です。これは現在スペースXが世界に先駆けて実施しているものなのですが、同様に回収・整備・再打ち上げを行うことのできるロケットの運用を目指します。ただ、中国のいう再利用ロケットとは宇宙に達するものの地球を周回しないもの指す『準軌道輸送機』としており、スペースプレーンタイプになるとしています。このスペースプレーンの試作機を2025年に開発し、2030年に試作機による大型機の初飛行、2035年には再利用可能な大型機の運用を始めます。

スペースプレーン

そして2040年以降には原子力シャトルを始め様々な宇宙開発を行います。この原子力シャトルは原子力発電による電気エネルギーにより推進する装置を搭載するというもので「電磁気力により…」と書かれていることから予想ではEMドライブといった次世代の推進装置の搭載を目指していると考えられます。これにより地球と火星間をわずか10週間でつなぐことができ、月もわずか4時間で到達することが可能と予想しています。
合わせて宇宙太陽光発電や小惑星開発、宇宙中継基地(宇宙ステーション)、そして宇宙エレベーターの建設を想定しています。