島風

マイクロソフトの共同創業者の一人、ポール・アレン氏率いる探査チームはフィリピン南部のオルモック湾の海底で旧日本海軍の駆逐艦『島風』を発見したとフェイスブックで報告されています。

調査チームは12月15日、フィリピンのレイテ島北部のオルモック湾の海底から旧日本海軍の駆逐艦「島風」と見られる船体の撮影に成功したと発表しました。この探査チームは2015年に第2次世界大戦後初めて戦艦『武蔵』を撮影していた他、今月には戦艦『山城』『扶桑』など多くの沈没艦を発見する成果を上げています。

オルモック湾の位置

▼駆逐艦島風と見られる船体 写真はFacebookアカウントより
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日本海に面する京都府の舞鶴で建造された駆逐艦 島風は1942年7月に進水、翌年5月に竣工しました。島風型駆逐艦はこの1隻しか建造されておらず理由としては当時『高速』かつ『重雷装(強力な魚雷)』という構想に変化があり16隻あまりの建造計画は廃案となりました。

島風は40ノットを超える高速駆逐艦として有名で長射程魚雷を運用できる5連装魚雷発射管を3基備えるという重雷装で武装していました。島風はこの強力な魚雷を最大限運用するという目的から40ノットという速度が求められていました。

1944年11月、オルモック湾で島風を含む輸送船団の護衛にあたっていた駆逐艦らに対し、のべ347機という規模の米艦載機による至近弾や銃撃を受けたことで浸水、水蒸気爆発を起こし沈没しました。

40ノットという速度については現在の駆逐艦からみてもかなりの速度なのですがこれまで建造された駆逐艦として最速として知られているのはフランス海軍のル・ファンタスクでその速度は45ノット。この記録は現在も破られていません。