土星の環

太陽系の中で立派な『環』を従えている惑星として魅力的な『土星』。昨年、探査機カッシーニが長期間のミッションを終え大気圏に突入したことで話題となりましたが、この美しい環について1億年~2億年前に形成されたと推定されているそうです。

NASAの研究チームは、土星探査機カッシーニが収集した画像を分析し、環が形成されたのはわずか1億~2億年前であるという計算結果を導き出した。地球上で哺乳類が繁栄する前の時代だ。

土星自体が誕生したのは他の太陽系の惑星と同様45億年前だが、カッシーニの最後の観測によれば、環の起源がそこまで古いというのはまずありえないという。2017年9月に任務を終え、土星の大気圏に突入した探査機カッシーニのプロジェクト・チームは、この暫定報告を同年12月にアメリカ地球物理学連合の年次会議で発表した。

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土星以外にも環を持つ惑星は天王星や海王星、木星があり最近では小惑星にも環があることが確認されています。その中でも太陽系最大である土星の環について、これまで「40億年以上前に形成された」などと考えられていたものの実は比較的最近形成された可能性があることが分かりました。

このデータは2017年に全ミッションを終え土星に突入したカッシーニが得たデータを元に研究されたものです。研究者らは『環の質量=古さ』に関係があると考えており環の質量が重ければ重いほど古く、数十億年という昔に形成されたと予想していました。しかし、ボイジャーの観測では予想に反して環の質量が小さかったことがわかっていたといいます。

波を作りながら公転する土星の衛星ダフニス
衛星ダフニス

そこで、NASAは土星の環にカッシーニを突入させるこでその質量を測定するという荒業を行いました。結果、環全体の質量は土星の衛星ミマスの4割しかなかったことが明らかになります。また、土星系には海王星の軌道の外側からやってくるチリが多く降り注いでいることがわかり、仮に何十億年も環が存在していたとすれば黒っぽく汚染され少なくとも今のように明るい環を維持することができないとしています。

NASAの研究者によると土星の輪は現在は失われた衛星が太陽と土星の重力により揺れ動き軌道が変わったことで他の衛星と衝突するなどしてバラバラに分解したことで形成されたと考えています。この時、土星の環は今よりも10倍以上大きく地球からは金星に匹敵するほど明るく輝いていたはずだと説明しています。