人間は何かをするとき無意識にどちらかの手を使います。これはハサミや包丁など道具を使うときもそうなのですが、実はネコにも利き手があり、オスとメスで傾向が異なることがわかったそうです。
ネコのもふもふとしたかわいらしい手(前足)に関する新たな研究が、学術誌『Animal Behaviour』に発表された。大半の飼いネコに、左右どちらか好んで使う手、つまり「利き手」があるという。しかも利き手は性別によって異なり、オスは左手を、メスは右手を使う傾向にある。今回、この研究を行ったのはイギリス、クイーンズ大学ベルファスト校のデボラ・ウェルズ氏です。多くの動物には利き手があることは分かっているそうなのですが、ネコはどのようになっているのでしょうか。
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実験ではネコ44匹(メス20匹)を対象に、ウェルズ氏の自宅でそれぞれ3ヶ月間わたり調査を実施しました。調査ではトイレに入る時や、階段を登る時にどちらの足を先に出すのか。狭い穴のに入った餌を取ろうとした時にどちらの手を使うのかなど複数項目です。
その結果、中には判別不能つまり利き手は無いとした個体もいるものの、75%のネコは利き手があったとしており『左手を優先的に使うのはオス、右手はメス』という傾向があったとしています。
ウェルズ氏によると皆さんが飼っているネコでも数日から数ヶ月間ほど観察すれば利き手をもっているのか調べることができるといいます。ちなみにウェルズ氏氏が飼っているネコはメスなのですが普段は右手を使うことが多いものの、猫パンチは左手を使う傾向があるしています。
猫好きの方であれば『ネコの利き手』についてはどこかで耳にされたこともあると思うのですが、実はウェルズ氏は2009年時点でネコの利き手に関する研究を発表しており、このときも「オスは左手、メスは右手を使う傾向があった」と主張していました。
ただ、当時動物の保護団体などから「性別で利き手がある思えない」などと指摘する意見も寄せられていたとのことです。(参考)