クイーン・エリザベス空母_4

海面から甲板までの高さが軽く10メートル以上になる空母。緊急時にはこの高さから安全に退避する必要があるのですが、どのように避難が実施されるのでしょうか。今回はイギリスの空母で撮影された貴重な写真を紹介していきます。

今回写真が撮影されたのは2017年12月に就役したばかりのイギリス海軍、クイーン・エリザベス級空母1番艦クイーン・エリザベスです。同艦は全長284m、F-35Bを最大30機搭載することができ出航時は最大で1,600人が搭乗するというイギリス最大の艦艇です。

このような大型艦艇でも緊急時には乗員を安全に退避させる必要があるのですが、どのようにして行われるのでしょうか。

航空母舰上也有充气滑梯?紧急情况下可凭它弃舰逃生_军事_引力资讯 - G.com.cn

クイーン・エリザベス空母_3
イギリス特有の天気の中で行われたのはこちらの試験です。クイーン・エリザベス空母から伸びているはMarine Evacuation System (MES:海洋避難システム)というもので、緊急時にはここに乗員を退避させることで安全を確保します。

クイーン・エリザベス空母_2
多く人が集まる中央付近は船が2つ横並びになります。

クイーン・エリザベス級空母の場合、海面から甲板までの高さは26.8メートルに達します。これは地上8階程度の高さがあり、ここから飛び降りるのは自殺行為に等しいです。そのため空気で膨らむスロープと船を用いて安全に避難させるという対応をとっています。同空母としては30分以内に全員を避難させるという計画になっているといいます。

ちなみにこのスロープは滑り台になっているのかと思いきやそうではないそうです。
MES
このように内部にはハシゴがあり退避します。

ちなみに空母以外の大型の艦艇や旅客船にも同様のMESが採用されている場合があり、海面までの高さによってはハシゴではなく滑り落ちるというものが採用されているようです。(参考)