木星 北極の台風_1

NASAが運用する木星探査機ジュノーが撮影した木星の北極と南極の写真。そこには規則正しく配置された巨大台風が映し出されていました。同じ位置で渦を巻き続けるという不思議な現象について、木星の自転が関係している可能性があります。

地球では考えられない巨大な台風が木星の北極、そして南極で初観測されました。これらの台風は北極では北極では八角形の頂点の位置に、南極では五角形の頂点の位置で渦を巻いているという不思議なものでした。

実は極に渦があるというのは、木星のような形ではないものの土星でも確認されており極を中央とした六角形です。そして金星では地球でもみられるような目のある台風が観測されていました。これらの極にできる渦はいったい何が原因なのでしょうか。
どうやら木星の渦は9時間あまりで1周する太陽系最速の自転が作り出してい可能性があります。

この渦は実は地球上の実験装置でも作り出すことができます。その映像はNATIONAL GEOGRAPHICの「地獄の星・金星」という番組で放送されています。

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こちらが再現された極の渦です。映像は水平に設置された実験装置の真上から撮影されています。水槽に水を浸し、惑星の自転とコリオリ効果を再現するため装置全体を水平方向に回転させます。さらにその中央には地球や金星といった極地域でも発生する大気の渦を再現するため水平方向の回転よりも若干速く回転させています。

すると中心の渦(中央の装置)の周囲にこのような規則正しい渦が複数作られるというものです。番組では金星の大気の話しだったものの、木星の渦が見事に再現されています。この装置については最近発見された土星の六角形状の渦について実験室モデルとしても論文になっているとのことです。

▼ジュノーが撮影した木星南極の渦
木星 南極の台風

木星で観測されたこれらの渦は時間とともに増減するのか、位置が変わったり大きくなったりするのかなどは明らかになっていないのですが、少なくとも自然な現象で発生していることは間違いなさそうです。