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株式会社『ALE』は人工衛星から数ミリサイズの金属球を放出し、大気圏に落下させることで人工的に流れ星を作ろうと計画しているのですが、その初の運用は2020年春になると発表されました。

民間宇宙企業の株式会社ALEが計画する、人工衛星からの人工流れ星プロジェクト「SHOOTING STAR challenge」。その初回実施時期の目標が2019年から2020年春へと変更されることが、公式ホームページにて発表されました。SHOOTING STAR challengeは人工衛星に流れ星のもととなる粒子を搭載し、大気圏中に落下させることで流星を作り出すプロジェクト。

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シューティング・スター・チャレンジと名付けられた株式会社ALEが計画する人工流れ星計画に関して、今回初の実施次期が延期された理由については公式発表によると金属球を放出する超小型衛星「ALE(仮)」に姿勢制御用のスラスターを搭載することにあるとしています。これにより人工衛星を加速させたり投下位置を微調整することが可能となるため、搭載しないよりも運用上の利点が大きいとしています。

▼ALE(仮)
ALE(仮)

現在、人工流れ星は2020年春の実施予定としており2019年春までに人工衛星を製造、その夏から秋に打ち上げます。実施予定地域は晴天率の高い広島を中心とした瀬戸内海周辺で観測可能な地域は広島を中心とした半径100kmと考えられています。また流れ星が見れる時間は5秒から10秒程度、個数は数個です。

ALE_Astro Live Experiences from ALE_Astro Live Experiences on Vimeo.


この計画は過去に東京オリンピックの演出としても実施されるとしていたのですが、今回の声明には一切その記載がありません。当初2018年にも実施するとしていた計画が2019年そして20年に延期されています。東京オリンピックの開催時期から考えると現在の計画ではかなり厳しいと考えられます。


今回の人工流れ星はどのように地上から観測できるのかについては、夜空でまれに見ることができる自然の流れ星とは見た目が大きく異なります。その大きな理由は速度です。自然の流れ星は極めて高速で大気圏に侵入するため長い距離を一瞬で移動し燃え尽きます。
しかし、人工の流れ星は地球低軌道を周回する飛行速度からの落下になるので、自然のものに比べ落下速度が圧倒的に遅くゆっくりと移動して見えます。


こちらは地球に落下してくる大陸間弾道ミサイルの弾頭(模擬弾)を地上から観測したものです。見え方、特に速度については軌道上から放出される金属球と地球を周回することはない大陸間弾道ミサイルとは多少の誤差はあるのですが、この程度見え方になると考えられます。