国営企業傘下の『瀋陽飛機工業集団』が独自に開発を続けいるのはJ-31、またはFC-31などと呼ばれるステルス戦闘機とされるものです。主に海外への輸出を想定し開発が続けられていると言われているのですがパキスタンが試験飛行した結果、極めて否定的な態度をとっていたことが明らかになりました。
中国メディアの新浪網は23日、自国で開発された殲−31(J−31)戦闘機について、本国でも相手にされず、国外でも購入に向けた動きがないのは機体そのものに問題があるからとの見方を示す文章を掲載した。J−31は瀋陽飛機工業集団が自己資金で開発したエンジン2発のジェット戦闘機で、すでに実戦配備が始まっているJ−20に続く、中国として2番目のステルス戦闘機とされている。アメリカが中心となり開発が続けられるF-35やF-22と酷似したデザインで2012年10月末に初飛行したのはJ-31と呼ばれる機体です。その見た目からステルス戦闘機とも言われているのですが、中国メディア新浪網によると、機体に潜在的な問題があるとされ国内でも評価されず海外への輸出も難しいという記事を掲載しています。
Record China
その海外に輸出する計画はどのようなものがあるのでしょうか。Wikipediaによると2012年にアルゼンチンが興味を示していると報道、2014年11月の時点で中国の盟友パキスタンが30~40機程度購入するとして交渉中などと報じられたことがあります。
▼2014年、珠海航空ショーで展示飛行したJ-31
『2014年11月』といえば珠海航空ショーで初めてJ-31の展示飛行が実施された時期です。実は珠海航空ショーでパキスタン空軍のテストパイロットもJ-31の操縦を行っていたらしく、『操縦した感覚』に付いて質問されたところ「NO」を8回繰り返し極めて否定的な態度をとっていたといいます。また購入計画についても「今後も見守る」などし購入計画は否定していたとされています。
ただ、この報道についても戦闘機の性能が云々以前に価格なども考慮した上で否定してる可能性もあり必ずしも操縦性が悪いとは言い切れません。
その一方でJ-31の開発は続けられており、2016年12月末にバージョン2などと呼ばれる改良型が登場しています。大きく変更されたのは尾翼の形状で、F-22のような台形からF-35のような形状に置き換わりさらにF-35に酷似した見た目となりました。
▼上からJ-31の改良型(バージョン2とされるもの)、中央が初期型、下が比較したもの。
このような大幅な設計変更から運動性能に何らかの問題があったと見てよさそうなのですが、海外への輸出に向け現在も開発が続けられています。
また『中国航空工業集団公司』の林左鳴董事長は2014年12月にインタビューに答えており、「戦闘機の戦闘能力というのは機体の設計や能力など30以上の指標から評価される」「設計の段階で必ず敵機を撃墜できる設計にした」などと主張し「(J-31は)F-35に勝利すること考慮し設計された」なコメントしていることが明らかになっています。