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「チュンチュン」と可愛らしい鳴き声の小鳥『スズメ』。私達の身近な野鳥の一種になるのですが、実はスズメの子育ては他の野鳥とは異なり、木や岩場などに巣は作らず民家の屋根の隙間などでしか子供を産まないといいます。何故、危険な人間の近くでわざわざ子育てをするのでしょうか。

みなさんもテレビなどで「スズメは山にいない。スズメがいるところには必ず人がいる」などと見聞きしたことはないでしょうか。スズメは人間がいない山奥や森の中、またその木の上に巣を作らず街中で子育てをするという鳥類全体から見ても珍しい生態があります。

スズメはなぜ町の中でしか子育てしないのか? NATIONAL GEOGRAPHIC

天敵を共有するスズメと人

NATIONAL GEOGRAPHICによるとその理由については明らかになっていないものの子育てをする環境が自然の中よりも人工物、そして人の近くの方が良いということを生まれ持って知っているらしく、その理由はスズメの天敵『タカ』や『ヘビ』を寄せ付けないことにあると考えられているそうです。


過去に発表された研究によると人間は本能的にヘビを恐れるという研究が知られており、哺乳類の中でも特に私達、霊長類の色覚が高度に発達した理由は天敵であるヘビを素早く認識するためにそのようになった可能性があるとも言われています。

このようにヘビの脅威に対応できる視覚と住環境を得た現代の人間が、ヘビには対応できていない小鳥が同じ環境で暮らすようになったというには偶然と考えられるのですが、この手の天敵から雛を守るためあえて人間の近くで暮らすことを選んだという説は正しいと考えられます。

今年も少し暖かくなるとやってくるスズメの子育てシーズン。その雛が生み育てられる環境は人の子と同じ家の中ということになるのでしょうか。