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宇宙に人工衛星などを打ち上げるには所謂『化学ロケット』が使用されています。そのロケットは1台数十億円から百億円を超えるものもあるという非常に高コストの輸送機になるのですが、ロシアのとある科学者は火星で使える方法としてワイヤーを使い宇宙に物資を運ぶことができると主張しています。

これはロシアメディア「Sputnik」が報じたもので、ロシアの科学者があくまで火星で使える方法としてワイヤーを使って地上から火星の軌道上まで物資を運ぶことができるというという主張です。

ロシア研究者、ロープで火星から宇宙へ貨物を運ぶ提案 - Sputnik 日本

既に意味不明なことになっているのですが、日本語版ではなく英語版により詳しいことが書かれています。具体的にどのようなものかというと、軌道エレベーターのようなものを火星に構築することで地球では不可能な方法で火星の軌道上に物資を送り込むことができるという案です。

これはロシアの科学誌に掲載された案だとしており、方法は2つ。
一つはロケット(スペースプレーン)を火星低軌道まで打ち上げケーブルの先端にドッキング。その後、地上に張られた衛星が接続されたワイヤーを掴み最終的に高高度まで引っ張り上げるという案です。この時、ドッキング時の速度は時速7,200km/hです。
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こちらがその図です。スペースプレーンの先端についているケーブルは火星の衛星フォボス、もしくはダイモスから伸びたもので、スペースプレーンがここにドッキング。さらにそこからケーブルを伸ばし火星地表に張られたケーブルに引っ掛けるというもの。最終的に衛星側から引っ張り上げることで人工衛星を火星軌道に送り込むことができるとしています。

そしてもう一つが途中のスペースプレーンを使用しない案です。これは火星の衛星を直接利用するもので火星の衛星フォボスもしくはダイモスに軌道エレベーターのようなものを建設。ケーブルを火星に向けてケーブルを垂らし地表にある宇宙空間に運びたいもののに引っ掛け、引っ張り上げるという方法です。

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この図はその論文に掲載されていた資料です。一番上の●印が火星の衛星フォボスもしくはダイモス。その中間の◆印がエレベーターです。
このように火星の衛星から釣り糸のようにケーブルを垂らし火星地表付近に建設されたワイヤーにひっかけそのまま火星軌道上まで持ち上げられるという方法のようです。

あまりに壮大な案で素人には理解しがたい内容になっているのですが、100年後の未来の人類はこのような方法で火星開発を進めていく日もくるのかもしれません。