浦項地震

昨年11月、韓国の浦項(ポハン)市を震源とするマグニチュード5.4の地震(浦項地震)が発生しました。地震が少ない国でもあるため混乱する事態になったのですが、この地震に関して『地熱発電』により誘発された可能性が高いという論文が発表されました。

再生可能エネルギーの一つとして海外では積極的に地熱発電が利用されている国もあるのですが、浦項市で発生した浦項地震に関して、欧州の研究者らは強化地熱システムという高圧注水を行う地熱発電技術により誘発された可能性が高いとする論文が米科学誌サイエンスに掲載されているとのことです。

韓国地震、地熱発電での高圧注水が原因か 研究 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

AFPによると2017年11月15日に発生した浦項地震は地震の震源が浅かったことと、更に発生数ヶ月前から地熱発電施設では高水圧を注入が行われていたことが分かったとしています。シェールガスやオイルと同様の高圧注水による地震はアメリカなどでも多発しているのですが、強化地熱システムに伴う地震としては規模や被害の両方で過去最大になったとしています。

▼浦項地熱発電所
浦項地熱発電所

浦項地震の原因に関しては11月末の時点で韓国の大学教授らが「地熱発電に原因があったのではないか」という意見を寄せおり韓国政府も現在海外の専門家を招き現在調査を進めています進められています。ただ、調査は2年~3年ほどの調査時間がかかるとしています。

この地震に関しては、韓国初の地熱発電所『浦項地熱発電所』からわずか水平距離で500mの位置で地震が発生。震源の深さに関しては地下3~7kmとごく浅く、浦項地熱発電所では発電は行われていなかったものの地下4.3km付近まで掘削し高圧注水を行っていました。