キャッツアイ星雲

真っ暗な宇宙の中で、ひと際目を引くのは花が咲いているように美しい星雲と呼ばれるガスやチリの集まりです。これらは太陽のような恒星が作り出すものなのですが、太陽も最後は星雲その中でも惑星状星雲としてその姿を残すことがわかったと研究結果が発表されました。

太陽のような恒星は、寿命が近づくと「主系列星」の状態から「赤色巨星」へと変化。そして、じわじわとガスやちりを放出します。やがて、このガスが星の発する光で照らされて「惑星状星雲」と呼ばれることになります。

太陽の最期はこの「惑星状星雲」であるという見方がある一方、これまでの恒星モデルでは太陽の約2倍未満の質量の恒星では目に見える惑星状星雲を形成できないということがわかっていて、科学者の間で問題となっていましたが、新たな恒星モデルによってこの問題が解決され、太陽はやはり「惑星状星雲になる」ことが示されました。

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この研究は大学など3つの研究チームにより行われたもので、それによると太陽がこれか50億年後、赤色巨星となった後はガスやチリを放出し最後には小さく白く輝く白色矮星へと姿を変えます。そこで問題となるのは飛び散ったガスなどで星雲を形成できるのかという点です。

従来この手の星雲を作るには太陽の2倍ほどの質量を持った恒星でなければ明るい星雲は形成できないとされていました。しかし、質量の小さい恒星が作った昔の星雲は少なくとも最近形成された若く質量の重い星雲よりも暗くなくてはいけないというのは常識的に思いがちですが、実際の観測では少なくとも惑星状星雲では年代や質量に大差はなくどれも同じような明るさに見えることに気づいたといいます。

▼環状星雲(惑星状星雲)
環状星雲

研究チームによると星雲が形成される条件として新たに太陽の1.1倍未満の質量では目に見える惑星状星雲は作れず、太陽の3倍以上の質量になるともっと明るい惑星状星雲を作れるといことを発見し、これに属する恒星が作る惑星状星雲の明るさは実際に観測されたデータと極めて近いことがわかったとしています。

「太陽の1.1倍未満の質量では目に見える惑星状星雲は作れない」ということは太陽は惑星状星雲にならないということになるのですが、研究者によるとどうやら惑星状星雲を作れる下限に位置しており作れる可能性があるという指摘をしているそうです。