グレムリン計画

空中で中型のドローンを展開し、それらドローンを輸送機で回収するという空中空母『グレムリン プログラム』。DARPAはこれらドローンを回収するなどの初期試験を既に実施していることが明らかになりました。

母機から有人無人問わず航空機を展開し再び母機に戻すということは過去に何度か試作・計画されたことがあるのですが、今回アメリカ国防高等研究計画局(DARPA)が将来の運用を目指し開発を行うことになったのはグレムリンという無人航空機です。

DARPA Working on Airborne-Launch-and-Recovery, Multi-Use 'Gremlin' Drones - Avionics

今月22日、海外のメディアによるとDARPAはグレムリン プログラムについて来年後半つまり2019年後半までに複数の無人航空機システム(UAS)の空中展開と、それを帰還を実証させる計画を進めているとしており、グレムリン・プログラムの目標として今後3段階の試験と最終試験を行っていくとしています。

こちらがグレムリン計画を紹介する映像になるのですが、動画の後半には無人航空機システム(UAS)における無人機を展開・回収する実映像が公開されています。

まずこの無人機の輸送と展開については比較的大型の、いわゆるJADMシリーズの爆弾を運用できる全機体で搭載可能なサイズになっていると考えられ、長距離爆撃機から一般的なF-16といった戦闘爆撃機やマルチロール機、そしてパイロンを搭載可能な輸送機からも柔軟に展開することが可能です。展開した無人機は映像では4機を1つのグループとして運用している様子が確認でき、1機には150ポンド(約68kg)のペイロードを搭載できるスペースがあり、ここに異なる複数のセンサーを搭載することで様々なミッションに対応することが可能だとしています。

また機体はいずれも使い捨てではなく再使用可能な通常の航空機と同じような扱いになるとしており、1度使用した機体は24時間以内の整備を行い再使用可能になるとしています。DARPAは初期の飛行試験で既に空中に展開した無人機についてC-130輸送機を使用し4機を30分で回収することができたと評価しているとのことです。

また詳細は不明なのですが、将来的な運用方法については敵国の防空ミサイルが届かない空域からさらに555km後方で無人機を展開。さらに無人機は防空ミサイルが届かない空域まで飛行し1時間程度飛行させた後、再び555km程度の離れた空域で輸送機により回収するというものになっているとされています。