カラチャイ湖 2012年

目には見えないものの私達生命体に致命的な影響を与えることもある放射線。チェルノブイリ原発事故や福島第一原発事故により現在も危険地帯が存在しているのですが、実はロシアにはカラチャイ湖という極めて危険な湖が存在していたそうです。

湖のほとりといえば、美しく静かで自然豊かな場所、休息、日光浴に適しているのが普通である。だがカラチャイ湖に限っては、そうではない。1990年代は、人間が1時間ほど湖岸にいるだけで6シーベルトの放射線を浴びる、つまり死にいたる湖であった。カラチャイ湖のある場所は、チェリャビンスク州の南ウラル。雨不足などで干上がることが多く、地図から消えることもあった。

ロシア・ビヨンド
カラチャイ湖、後に『V-9貯水池』などと改名されることになった殺人レベルの放射線を出す湖はいったいどのように作られたのか。もちろん自然にそのようになったのではなく湖の近くには旧ソ連時代に建設されたマヤク核技術施設があり、ここから出た核のゴミを湖に投棄するということが1951年から繰り返されていたといいます。
この6Sv/hという数値に関しては、仮にその場に1時間いた場合半数以上の人が数日後には死亡するレベルの高線量です。



現在はカラチャイ湖は埋め立てられており湖の姿を目にすることはできないそうなのですが、当時どのような状態になっていのかが記事には記載されています。

▼線量を測る作業員
カラチャイ湖

それによると、投棄された放射性物質は湖の底2~3平方メートルという一坪程度の面積に厚さ3.4mほどの高レベル放射性廃棄物となった層があったと考えられているそうです。
水は放射線を遮る性質があるものの実はこの湖は度々干上がったことがあったらしく、1960年代に湖の一部が干上がり強風が吹いたことで放射性セシウムやストロンチウムが混じったチリが周囲に拡散するという出来事も発生していたといいます。

その後、この事態を重く受け止めたソ連は湖を封印することにし実に40年というよくわからない歳月をかけ2015年11月26に封印作業が終了したといいます。

▼マヤク核技術施設の周囲にあるという別の湖。ガイガーカウンターが示している数値は785マイクロレントゲン/h。地域にも異なるものの、自然界の放射線量は30マイクロレントゲン/h程度
マヤク核技術施設_湖

問題はこの湖がどのくらい危険だったのかについてです。実はその影響についてはよくわかっておらず、これまで放出した放射線量は1億2000万キュリーとされこれに関しても様々な数値が出されているのですが、チェルノブイリ原発事故で環境に放出された放射線量の実に2倍以上だったとしています。
ちなみに、キュリーという単位はロシアなどがよく使っているものの日本なではベクレル(Bq)という単位が使われており、換算としては1キュリー=370億ベクレルに等しいとしています。