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民間初の宇宙旅行から超大型ロケットまで独自に開発を続けているアメリカの民間宇宙開発企業ブルー・オリジン。Amazon創業者や戦艦武蔵などを発見したことで知られるジェフ・ベゾス氏は今後の宇宙開発に関して月、特に手付かずの資源開発を発表しました。

National Space Society(米国宇宙協会)の年次総会「国際宇宙開発会議」で登壇したベゾス氏は、自らがかじ取りするスタートアップBlue Originを、月面でのロボット探査機の開発や入植活動を成功させるために活用すると宣言しました。ベゾス氏は、自分の孫やその孫の世代での地球資源の問題はさらに深刻になるはずで、仮に宇宙での資源獲得に乗り出さなければ、世界は成長を止めざるを得ないと考えているとのこと。

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ジェフ・ベゾス氏率いるブルー・オリジンは冒頭紹介したように、来年にもニュー・シェパードというロケットと宇宙船を使い高度100kmを超える民間企業による弾道宇宙飛行を目指しています。実はそれ以外にも大型のロケット『ニュー・グレン』を開発しており、地球軌道を離れ月などを目指す事ができる能力のあるロケットとして運用を目指しています。

▼2020年の初打ち上げを目指すニュー・グレン

そんなジェフ・ベゾス氏によると、将来の宇宙開発についてただ人工衛星を打ち上げるという企業に留まるのではなくNASAや欧州宇宙機関(ESA)と協力して宇宙開発、特に月面での資源獲得を目指すというビジョンを描いていることが明らかになりました。現在ブルー・オリジンはNASAに対してブルームーンランナーを建設することを提案しているといいます。

それによるとベゾス氏は「私達はこの惑星を離れなければならない」と主張し、その理由は地球資源の枯渇にあるといい「今から宇宙資源の確保に乗り出さなければ私達人類の成長を止めざる得ない時代が孫やその孫の世代にやってくる可能性がある」という趣旨の話しています。

この手の話は研究者や専門家、そこらの雑誌でも夢物語のようなことで語られるのですが、ベゾス氏はかなり本気に考えているようで、自身が持つ莫大なお金を尽きるまで宇宙開発を続けると明言しています。これはベゾス氏やその回りの人間がただやりたいことではなく「やらなければならないこと」と考えているとしています。

一方でよく似た話をしているのはこちらも大物のイーロン・マスク氏率いる民間宇宙開発企業スペースXです。彼は同じく地球資源などを理由に火星をテラフォーミングして人類が滞在できる環境にするべきだと主張しています。そのためスペースXは月ではなく火星を目指しているのですが、ベゾス氏はマスク氏についても珍しく語っており「ステップを飛ばすのは好きじゃない」とし、火星を目指す前にやることがあるのではないかと主張しています。

ちなみに、月面開発はNASAやESAと協力できなくても我々は単独でもやっていくと話しています。ちなみに話には入っていないものの日本のJAXAは将来の宇宙開発として同じく月面開発を挙げており、国際宇宙ステーション引退後もしかした将来NASAではなくアメリカの大物と日本のJAXAが共同で月面開発を行うという未来もやってくるのかもしれません。