火星 地表

アメリカ航空宇宙局(NASA)は、火星探査車キュリオシティは搭載された機器を使用した研究で火星の地表から有機物を発見したと発表しました。現在どのようにして有機物が生成されたのかなどは明らかになっていないとのことです。

国内外の複数メディアによると、今月7日科学誌サイエンスで発表された論文としてNASAが運用している火星探査車キュリオシティによる分析で泥岩の土壌から酸素や窒素などの元素を含むオフェン、ベンゼン、トルエン、プロパン、ブテンの有機物を発見したと発表しました。
これら有機物に関しては地球で回収された火星の隕石にも含まれており、含有量はほぼ同じだったとしています。

Curiosity нашел на Марсе новые органические молекулы

▼写真を合成して作られたキュリオシティの自撮り
image_36

発見されたのはキュリオシティが送り込まれたゲール・クレーターの底で、かつて液体を湛えていた湖があったと考えられています。これら有機物については生命由来の可能性も考えられるものの、現在のところ詳細は明らかになっていません。またいくつかの有機物は宇宙では珍しくはないものの特に複雑な構造の放射線に弱く例えば岩石の層により保護されていなければ破壊されてしまいます。

そして、キュリオシティの測定器により火星の大気に含まれるメタンが季節変動することも明らかになったと発表されました。それによると、観測地点における火星のメタンの濃度は夏に増加するものの冬には減少していることが分かったとしています。
この大気中のメタンの濃度については地球では大半が生物に由来するものですが、火星では水と岩により作られた可能性もあるとしており、生物由来とは言い切れないとしています。

▼キュリオシティが送り込まれた(青点)ゲール・クレーター。周囲の平なところよりも4000mほど低いクレーターの底で活動している
ゲール・クレーター