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国際宇宙ステーションなど宇宙で用いられているモジュールは一部を除き金属製で覆われているのですが、ロシアではこれとは異なる繊維から作られ空気で膨らます事ができる、所謂『膨張式モジュール』を開発していると報じられています。

ロシアのロケット&スペース コーポレーション「 エネルギア」が変形宇宙モジュールに用いるために、直径1センチメートル以上の隕石から守ることのできる独自の「布」を開発し、その実験に成功した。

Sputnik
今回、特殊な繊維の開発に成功したのはロシアで宇宙ステーションのモジュールからソユーズ宇宙船まで設計開発しロシアの宇宙開発を支えているエネルギアという企業が開発したものです。

記事によると実験では直径11.5mmのアルミ玉を秒速6.5km/sの速度で飛ばし、衝突させたところ完全に防ぐ事ができたなどと紹介されています。一方で180mmのスチール板に衝突させたところアルミ玉が貫通してしまったとのことです。

この特殊な繊維を用いたモジュールに関しては「空気を入れて膨らます」「低コストで貨物収納スペースを数倍拡大できる」などとしており、これらは国際宇宙ステーション用に開発されたなどとも説明されています。

具体的にどのようなものなのかについてはアメリカの民間企業ビゲロー・エアロスペースが開発した膨張式宇宙ステーションモジュール『BEAM』とほぼ同じと考えられます。BEAMは宇宙での使用試験のため既に国際宇宙ステーションにドッキングされており今後数年の運用試験が行われます。

ただ、ロシアが今回開発している新モジュールに関しては2024年頃に国際宇宙ステーションの引退を控えていることもあり接続は難しいと考えられます。一方で、ロシアは今後打ち上げられる国際宇宙ステーションのモジュールを切り離し独自で宇宙ステーションを運用する方法を進めていることから将来的にはそちらの新宇宙ステーションでの運用を目指すものと考えられます。