ガスを放出するオウムアムア_2

昨年、宇宙に関する話題として注目を集めたのは『オウムアムア』という天体です。この天体は人類が宇宙の観測を始めて以来、初の太陽系外からやってきた天体であることがわかり、現在も観測されたデータから研究が続けられているのですが、どうやらこの天体は小惑星ではなく太陽系外からやってきた彗星だったことがわかったそうです。

アメリカ航空宇宙局は今月28日、オウムアムアについて現在私達が知っていることとしうテーマで記事を投稿し最新の研究結果をいくつか発表しています。

Chasing 'Oumuamua | NASA

この天体に関して2017年10月に『異常な速さ』で太陽系にやってきた天体は「私達の太陽系の外からやってきたことは間違いない」と確信していたといいます。それは天体の移動速度があまりにも早すぎ、1秒間に87kmも移動してしまうという速度で、少なくとも太陽の重量に影響された速度ではないことが分かっていたそうです。

▼オウムアムアの軌道と予想

過去の発表によると、オウムアムアが発見されたのは地球に2400万kmまで最接近し、通り過ぎた5日後でした。オウムアムアは直径が160~400m程度しかないと考えられており、観測が非常に難しくNASAによると2018年1月以降観測は既にできなくなったとしています。

オウムアムアは彗星とは異なり当初『尾』が観測されず「太陽系外からやってきた小惑星」と考えられていました。しかし、太陽に接近していたときにわずかに加速していたことが分かっていたそうです。なぜ加速が発生したのか。その後の研究ではオウムアムアから揮発性物質の噴出、つまり何らかのガスが放出され続けていたことで、ガスが推力となり加速を促したということが分かったとしています。

▼太陽系に接近しガスを放出するオウムアムア(想像図) アニメーションはNASAのサイトで閲覧できます。
ガスを放出するオウムアムア_1

オウムアムアがどのような物質でできていたのかは今も分かっていないとしており、将来的にも解明することは不可能と考えられるのですが、『尾』の直接観測はできなかったもののガスを放出していたということから小惑星ではなく分類上は『彗星』ということになったとのことです。


系外惑星からはじき出された天体が何億年か何千万年か分からないのですが偶然太陽系をかすめた出来事について、発見は観測技術が高度化したことにあるとしており同様の恒星間天体の発見が続くのではないかと言われています。