
ここ数年、アメリカで研究が進められているのは音速を超える旅客機の開発です。一方、その研究を進めているNASAは音速突破時の衝撃波を低減させる機体とデザインの開発を進めているのですが、今年11月に従来機を用いた衝撃波に関する公開試験を実施すると報じられています。
もし、テキサス州の特定の地域に住んでいれば、衝撃波による騒音が小さいNASAの超音速技術を自分の耳で聞いて確かめることができます。NASAは、メキシコ湾沿岸の街ガルベストンで、11月に一連の公開実験を行う予定を立てています。11月にも実施されるのは、NASAが保有する空母艦載機で有名なF/A-18ホーネットを使用した衝撃波の試験です。
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この試験では2通りの試験が行われる予定です。一つは洋上で行われる通常の超音速突破による衝撃波の発生です。そして、もう一つが市街地上空、沿岸沿いで行われる静かな衝撃波発生の試験です。当局としてはこの2通りの試験を実施し、500人以上の現地ボランティアにどのような音に聞こえたのか評価してもらう他、観測装置を用いて研究を行います。
使用される機体に関しては今回の試験でどのような仕様変更が行われているのかは現在のところ明らかになっていません。
▼現在は運用されていないコンコルドが発生させる衝撃波(15秒付近)
近年アメリカを始め日本などでも超音速で飛行する旅客機の開発が進められており、近い将来そのような航空機た再び空を飛び回ることが予想されています。しかし、現在アメリカでは陸上上空での超音速飛行が禁止されています。これは激しい衝撃波(爆発音)が地上に届き騒音の原因になるという理由から音速以下で飛行することが義務付けられています。
今回はあくまで試験としてそれを行うことで行われるのですが、NASAが開発している静かな超音速突破技術がどの程度のものなのか、皆さんの耳で実際に聞いてもらおうというものです。
NASAでは静かな超音速機の機体開発を行っており、今年4月には航空大手ロッキード・マーティンに試験機の開発を委託していることが報じられていました。