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あらゆる物質をすり抜け、さらに直進するという性質をもつ素粒子『ニュートリノ』。南極に設置された検出器を用いて地球から約40億光年離れたブラックホールからやってきたニュートリノを直接観測することに成功したと報じられています。画像はブラックホールの想像図

国内外の複数メディアによると、千葉大学や広島大学らも参加している国際研究チームは南極の観測施設「アイスキューブ」に設置されたニュートリノ検出器から得られたデータとして観測史上2例目となるニュートリノを観測することに成功したと論文が発表されました。

The IceCube Neutrino Detector at the South Pole Hits Paydirt - IEEE Spectrum

▼観測施設『アイスキューブ』
アイスキューブ

このニュートリノは地球から見てオリオン座の左肩の方角、銀河系のはるか外側に位置するブラックホール『TXS 0506 + 056』から放出されているもので、観測に成功したのは2017年9月で広島大学がその発生源と考えられるブラックホールを最初に特定していました。

このブラックホールからは強いガンマ線が放出されていることが分かっており、高エネルギーのニュートリノが観測されたといいます。ブラックホールは円盤方向より90度傾いた極から高速のジェットを吹き出すという描写があるものの、その吹き出したジェットの直線状に私達の銀河系や太陽系があり強力なニュートリノやガンマ線が検出されているとのことです。

ニュートリノは宇宙線が光やガスに衝突した時に発生する素粒子で磁場などで進路を変更する宇宙線などとは異なり直進する性質があります。ニュートリノはこれまで検出されたのは1987年ノーベル賞を受賞した小柴昌俊氏らの研究チーム以来の2例目となりました。