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先日韓国でサルベージを行っている企業が日本海海戦で自沈した装甲巡洋艦ドミトリー・ドンスコイを発見しました。実はこの沈没船には金貨や金を大量に載せていたという記録があるらしく、今後回収に向けた手続きが行われるとしています。

沈没船のサルベージや建設業などを行っている韓国企業「シンイルグループ」は今月15日、1883年8月に進水し日本海海戦で自沈したロシア帝国海軍の装甲巡洋艦『ドミトリー・ドンスコイ』を発見しました。実は韓国ではこの艦艇には金や金貨など合計200トン、現在の価値で約150兆ウォン(約14兆円)規模の価値があるという噂話があるといいます。

울릉 앞바다서 발견 돈스코이호 '150조 가치' 보물선 맞나

韓国ではこれまでもドミトリー・ドンスコイを探そうという挑戦が行われていたといいます。有名なものでは1980年代から始まったとしており、個人から企業まで資金を投じ捜索したものの何れも失敗。2003年に韓国の東亜建設が今回発見された地点とほぼ同じと考えられるエリアでドミトリー・ドンスコイと考えられる船体を確認したものの、会社そのものが倒産してしまい発見するには至りませんでした。

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シンイルグループは引き揚げに関してどのような対応をとるのでしょうか。記事によると現在は船体の一部についても引き揚げは行わずカメラを使った探索を行うとしており、所有権登記と合わせて引き揚げの許可を求める手続きを行っていくとしています。

その上で順調に手続きが進めば引き揚げたものを鬱陵島(ウルルン島)でその一部を公開、今年9月~10にも船体を引き揚げる計画としています。一方で浦項地方海洋水産庁は手続に関して明確な見解は示しておらず今後所有権が誰になるのかなど難しい判断が続くものと考えられます。


一方、ロシアの国際法律家のアナトーリー・カプースチン氏によると、今回の引き揚げと船体の所有権に関しては「浜に打ち上げられたら、それはその海岸が属している国家の所有物になるものの、船が海底に沈んでいる場合は、所有権は船籍の属す国のものになるということがある」とし「船が民間のものであったなら、(沈没地点に近い)海岸線の国からはクレームがあがることもありえるが、船の所有者はすでにない。ただし国の所有物であれば、問題は生じてはこない」などと所有権はロシアにあると説明しています。(参考)

海外では難破船の財宝を発見するという出来事が数例報じられているのですが、例としてアメリカのトレジャーハンターが北大西洋の公海で1804年のスペインの難破船から400億円相当の貴金属が積まれているのを発見しているのですが、その後裁判となりアメリカの裁判所はスペイン政府に所有権があるという判決が出されています。