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北朝鮮など海外の弾道ミサイルなどから広範囲の国土を防衛する目的として防衛省が配備を決定したイージス・アショアに関して当初1基あたり1000億円前後と説明されていたものの大幅に膨れ上がっていると一部メディアが報じています。

防衛省が地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の導入費用について、2基で総額6千億円以上となると試算していることが22日、分かった。米国から購入するミサイル発射システムや最新鋭レーダー、デッキハウス(建物)などの主要装置に加え、イージス・アショア自体の防護対策や弾薬庫など関連施設も必要となるため、当初の想定以上に費用が膨れあがった。

産経ニュース
今回報じられたイージス・アショアの導入コストに関して、取り上げているメディアでも価格は様々で、産経ニュースでは総額で1基あたり3000億円、毎日新聞では1基1250億円などと報じています。

産経ニュースの価格に関してはイージス・アショアを建設する費用だけではなく運用するミサイルSM-3 ブロック2Aの導入費用も含まれています。ちなみにこのミサイルは1発あたり30~40億円としており、国内で2基建設されるイージス・アショアにそれぞれ数十発配備します。

▼SM-3。SM-3 ブロック2Aは有効射程が2500km、飛行速度はマッハ15程度とされている
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イージス・アショアは陸上型イージス艦と呼ばれているように、極めて優れた防空能力があることで知られています。詳細は明らかになっていませんがレーダーの探知範囲は海上型のイージス艦よりも約2倍ほどの性能があるとされ探知範囲は1,000kmとされています。
また、船に搭載されていないため補給のため定期的に入港する必要がなくメンテナンスが行われる間その能力が失われるということも少なくなります。また陸上にあるためイージス艦よりも比較的容易にアップグレードすることができ拡張性が高い利点があるとされています。

他国では『軍事力には軍事力』『弾道ミサイルは弾道ミサイル』で対応するという国が多いものの日本ではそのようなことができません。弾道ミサイルよりも命中率が大きく劣ったとしても、弾道ミサイルよりも1発あたり仮に10倍、100倍以上の導入コストが掛かったとしてもこれ以外に国民を守ることができる物理的手段がないという現状があります。