
今月25日、ESA(欧州宇宙機関)が運用する大型ロケット「アリラン5」が打ち上げられ欧州版GPS『ガリレオ』の衛星4基を予定された軌道への投入に成功したと報じられています。
ESA(欧州宇宙機関)は2018年8月25日(現地時間)、「アリアン5」ロケットをフランス領ギアナから打ち上げました。ロケットに搭載された全地球衛星航法システム「ガリレオ」を構成する4機の測位衛星は予定通りの軌道へと投入されています。アリアン5ロケットが打ち上げられたのは赤道に近いフランス領ギアナに位置するギアナ宇宙センター(グーグルマップ)です。ギアナ宇宙センターでは欧州よりも赤道に近いためより効率的に打ち上げることができるた、製造されたロケットを輸送し組み立てて人工衛星の打ち上げが行われています。
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今回打ち上げられたのは『ガリレオ衛星』という欧州版全地球衛星航法システム、いわゆるアメリカでいうところのGPS衛星です。今回の4基の打ち上げでガリレオ衛星は合計26基となり残り4基を打ち上げることで打ち上げ計画は終了します。この高精度なナビゲーションシステムは2017年より欧州各国で使用可能となっています。
▼軌道投入されたガリレオ衛星4基

▼宇宙に運ばれるCGイメージ

ただ、アリアン5ロケットは後継機となるアリアン6ロケットが開発されており、アリアン5によるガリレオ衛星の打ち上げは今回が最後となります。

アリアン5は10年の歳月と8,000億円以上の費用が投じられ開発された大型ロケットで初号機は1996年6月4日に打ち上げられました(ただし打ち上げは失敗)。アリアン5ロケットは元々は翼のついたスペースプレーン「エルメス」を打ち上げる目的のため開発されたものの、多額の開発費用と資金難が原因で有人打ち上げ計画が凍結されました。
一方ロケット本体の性能は維持され開発が継続。現在はその重重量を打ち上げられる強力な性能を活かし、人工衛星を一度に数基打ち上げるという方法で打ち上げコストを抑え商業打ち上げを多く獲得しています。
一方、ESAが開発している後継機『アリアン6』ロケットは、設計を行っているエアバス・サフラン・ローンチャーズ社によると2016年2月の段階で設計は完了したと発表しています。アリアン6はアリアン5よりも打ち上げ能力を高めつつ、打ち上げコストをほぼ半減させるという野心的なロケットとなっています。
打ち上げコストは半額、欧州宇宙機関の次世代ロケット : ZAPZAP!