地元メディア『扬子晚报网』によると、最近江蘇省の60代の女性がエビを触ったことで結果的に打臓器不全になり死亡したと報じています。

被“夺命海虾”虾尾刺破手指 连云港一六旬大妈丢了性命--扬子晚报网

この女性は、エビ料理を出すため購入したエビを洗っていたところ尾にあるトゲが右手の中指に刺さったといいます。この時かすかな痛みがあったもののそれほど強いものではなく、そのままにしていたといいます。
しかし、翌日にはトゲが刺さった指が腫れ上がり痛みが生じ、2日後には発熱があり足が腫れるなど明らかに異常な状態に陥りました。この時、家族が心配して直ちに連雲港市第一人民病院に搬送。しかしこの時点で既に多臓器不全にに陥っており、その後も治療の甲斐なくトゲが刺さってから僅か10日後に死亡しました。

▼死亡した原因などを話し合う同病院の医師ら


いったい女性に何がおこったのか。実は医師らの診察によると死亡率が高いビブリオ・バルニフィカスという恐ろしい細菌に感染していたと判断されました。ビブリオ・バルニフィカスは日本では1975年～2005年の30年間に185例の感染例が報告され死亡率は65%に達しています。


ビブリオ・バルニフィカスはこの季節に注意が必要な細菌で、例えば菌に感染した魚介類を刺し身などで生で口にした場合でも感染する恐れがあります。一般的に健康的な人であれば軽い下痢や腹痛程度で済むと言われているものの免疫力が低下している高齢者や肝硬変など肝臓が弱い人、糖尿病、アルコールを多く摂取する人、ステロイド剤を使用している人は特に注意が必要です。日本では死亡した人の多くが50～60歳の男性で男女比も同年代の男女比も6:1となっています。

また、感染は例えば手に傷があった場合は触っただけでも感染する恐れがある(100の菌が体内に入ると発症する)とされ、ビブリオ・バルニフィカス感染症が発生しやすい季節(7～9月が多い多い)は刺身など魚介類の生食は避け、加熱し食べることが重要としています。
また、調理する人は菌に感染した包丁やまな板などの調理器具を介して他の食品を汚染する場合もあることから注意が必要とのことです。
参考：ビブリオ・バルニフィカス感染症｜愛知県衛生研究所