マーズ・エクスプレス

夜空に輝くオレンジ色の火星。地球のように液体の湖は地表には存在していないのですが、イタリア国立宇宙物理学研究所の研究者によると欧州宇宙機関が打ち上げた探査機から得られたデータとして火星の南極の氷の下に液体の湖が存在していることを突き止めました。

Space.comによると、火星の軌道上を周回する「マーズ・エクスプレス」に搭載された『MARSIS』というアンテナから得られたデータを解析した結果、火星の南極にある氷の下およそ1.5km地点に、直径約20km程度の液体の湖があることがわかったと報じています。

Mars' South Pole May Hide Large Underground Lake

この湖を探し当てた『MARSIS』は低い周波数を使用した合成開口レーダーというもので火星の表面から約5km以下の水を探すことができる装置です。解析結果や考えられる状態としては高い塩分が含まれた液体の水として存在し続けている可能性があるとしています。

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この湖に関しては宇宙からは三角形のような形をしており、水深は明らかになっておらず少なくともレーダーの精度から考えると最小でも1m以上あることは間違いないとしています。

気になるのは塩分の高い湖に生命が存在しているのかです。実はその可能性も高く、地球上では南極の氷の下にある閉ざされた湖で微生物が存在していることが確認されています。そのため理論的には生命が生き残っている可能性があるとしています。また様々な影響に晒される地表付近よりも非常に安定した環境下にあると考えら、むしろ生命が存在するには適した環境だという表現もされています。

地球上では1.5km程度を掘り進むには容易に行えるものの火星ではそうはいきません。ただ、他にも同じような湖がより浅いところに存在している可能性もあり、凍結した元湖でも死んだ生物を含んだサンプルが採取出来る可能性もあります。
今後火星の南極にある『氷の下の湖探し』が活発化していくものと考えられます。