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ペットブームということもありCMでは動物が人間を舐めるというシーンが使用されることがあるのですが、実はその行為により人獣共通感染症であるカプノサイトファーガ・カニモルサス感染症を発症することがあるそうです。海外ではこれにより1週間で手足を失ったという人が報告されています。

アメリカのニュースサイト『WLOX.com』によると最近、グレッグ・マンテュフェルさん(48歳)が飼い犬に舐められたことでカプノサイトファーガ・カニモルサス感染症を発症し、入院してから1週間後に両手足を切断しなければならないほどの重症化したと報じられています。

An infection from a dog lick cost a man his limbs - WLOX.com - The News for South Mississippi

犬や猫を飼われている人であれば一度は耳したことはあると思われるカプノサイトファーガ・カニモルサス感染症は厚生労働省によると、犬や猫の口に常在しているカプノサイトファーガ・カニモルサスにより引き起こされ、私達人間が犬や猫に噛まれたり引っかかれることで感染しごく稀に発症するもので特に免疫機能が低下している人の発症例が多いとされています。

▼手足を失ったグレッグ・マンテュフェルさん
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今回発症してしまったマンテュフェルさんはどのような症状が現れたのでしょうか。記事によると彼の妻はマンテュフェルさんは健康的だったとしているものの、ある日、風邪のような症状を訴え病院に受診しにきたといいます。そのときに血液検査が行われ血液からカプノサイトファーガ・カニモルサスが検出されて以降、症状が悪化。手足への血液循環が妨げられ両手、両足の切断を余儀なくされたといいます。
現在マンテュフェルさんは意識があり話せる状態だとしています。

カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症に関するQ&A 厚生労働省より
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厚生労働省によるとカプノサイトファーガ・カニモルサス感染症の発症に関して2002~2009年の報告として14件があり、犬や猫に噛まれたり引っかかれたことで発症し多くで敗血症、そしてDIC(播種性血管内凝固症候群:本来出血箇所のみで生じるべき血液凝固反応が、全身の血管内で無秩序に起こる症候群)を患いっています。また14件中6件で死亡しています。

カプノサイトファーガ・カニモルサスに感染し発症する割合はオランダの調査としてオランダの調査では100万人に0.7人(人口10万人のうち発症するのは7人)、デンマークでは0.6人との報告もあるとしており、1976年以降世界でも発症した患者は250人程度と発症まで至るのは極めて稀とされています。