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アメリカが今後開発する月軌道の宇宙ステーションから発進する有人月面着陸船に関して、この着陸機の部分に関してJAXAが開発を担う構想が明らかになりました。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)が日本初の有人月面着陸機を開発する構想が16日、明らかになった。米国が2020年代に建設を目指す月基地への参加を念頭に置いたもので、欧州と連携し30年ごろに着陸を目指す。実現すれば米国のアポロ計画以来、約60年ぶりの月面着陸を日本が担う歴史的なプロジェクトになる。

産経ニュース
アメリカは国際宇宙ステーション引退後の宇宙開発に関してトランプ政権では月軌道に小型の宇宙ステーション月軌道プラットフォームゲートウェイ ( 以下、LOP-G)を周回させ、ここから発進する形で火星への有人探査を行う計画(構想)となっています。この火星有人探査を行う課程で最近になり追加ミッションという形でトランプ大統領政権が月への有人探査実施を発表していました。

これに関して日本側は将来的に日本人宇宙飛行士による有人月面探査の実施を構想しており、アメリカのLOP-G計画に参加しこれに貢献した上で有人探査の機会を得るという考えです。

そして先日アメリカ航空宇宙局など各国の宇宙機関が共同で作成した宇宙探査の工程表として有人月面探査に関して各国の宇宙機関が開発したもので実施するという内容が書かれていたらしく、その一つ月面に着陸する着陸機の担当としてJAXAが名乗りを上げているとのことです。
月面探査計画については4人が乗り込む着陸船は欧州宇宙機関が、人を乗せ月面を動き回る探査車についてはカナダが開発するとしています。

▼アポロ計画での着陸船。開発される機体は上部の銀色部分を欧州宇宙機関、下部の金色の部分をJAXAが担当する構想
アポロ月着陸船

記事によると、JAXAが仮に着陸機を開発した場合の初号機の開発費用(製造費も含む?)は1,000億円以上としており、アポロ計画で実績があるためアメリカが開発するとなれば不要になる可能性もあるとしています。これに関してはブッシュ元大統領政権下で進めらていたコンステレーション計画で新有人月着陸船「アルタイル」というものを構想していたことがあり可能性としてはゼロではありません。ただNASA予算も限られているためアメリカが着陸機を含む着陸船全体を単独で開発する可能性については低いものと考えられます。

開発が考えられている着陸船はアポロ時代の物と比べ重量が約2倍の35トン、サイズは1.3倍、輸送可能な乗員は4人(アポロでは2人)という規模になります。もちろん失敗は許されない人が乗り込む宇宙船を安全に送り届けるためのものでもあるため難しい開発になることが予想されるものの、これに成功すれば日本人が月面に降り立ち国旗を立てという歴史的な出来事を達成することができるものと考えられます。