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ツイッターなどの普及により個人が世界に向けて情報を発信したり共有することができる時代になりましたが、先日中国でSNS上に「安倍首相は実の父」などと投稿していた男性が挑発騒乱罪として逮捕されたと報じられています。

安徽省馬鞍山市警察は17日、「台湾国の呼称は合法」と主張したり、安倍首相を「実の父」と同様に慕うとする投稿を繰り返した男性に、16日付で刑事拘留の処置を科した発表した。最高刑が懲役10年の挑発騒乱罪の適用対象になると判断したという。刑事拘留は刑事事件としての立件を前提とする身柄の拘束で、日本の現行犯逮捕や緊急逮捕に相当する。 

Record China
これは国内外の複数メディアが報じているもので、中国安徽省馬鞍山市の公安当局が中国版ツイッター「微博(ウェイボ)」で「安倍首相は私の実の父(と思えるほど慕っている)」「台湾国と言うことを禁止する法律なぞあるものか」という趣旨の投稿をしたところ、市の公安当局が刑法293条の挑発騒乱罪に抵触するとしてこの投稿を行っていた18歳の男性を拘束(逮捕)したというものです。

ツイッターなどSNSではどのような考え方を持っている人であっても自由に物事が言えるということで、身分を隠した上で政治的な発言を行っているという方も多いと思います。ただ、ツイッターと異なり微博については中国企業が運用しており、当局がその気になれば誰が書き込んだのか簡単に個人を特定することが可能です。

同様の書き込みを行ったところで日本ではまず逮捕されることはないのですが、中国における『挑発騒乱罪』とはどのような法律なのでしょうか。記事によると、何れも度が過ぎる悪質な場合に限るとしたうえで、他人を殴る、ストーカーをしたり妨害・脅迫する、他の財産を強引にまたは任意に破損・占有する、公共の場で騒ぎを起こし秩序を乱す行為としています。

今回のインターネット上の発言が具体的に挑発騒乱罪のどの項目に抵触しているのかは不明なのですが、実際のところは党や政府の方針や思想に反する発言を繰り返している人間に対して見せしめ的な意味で拘束を行ったものと考えられます。