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日本の家屋、特に和式の住居では黒の瓦が乗せられ夏季になると熱したフライパンのように温度が上がります。もちろんこれらは周辺の気温上昇にもつながっていることは明白なのですが、一方アメリカでは屋根を白く塗ることで気温上昇を抑える取り組みが行われているそうです。

ニューヨークの夏はとても暑い。そこで市は、建物内部の温度を下げる対策を講じている。だが、ほとんどのニューヨーカーは、目にすることもない。2009年以降、ニューヨーク市は少なくとも670万平方フィート(約62万平方メートル)分のペンキを使用し、非営利団体、病院、低所得者向けアパートの屋根の塗装を無料で行っている。

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2017年以降、ニューヨーク市の小企業サービス局が70人を雇い「クールルーフス(CoolRoofs)」という取り組みを行っています。これは単純に屋根の塗装を白色に変えるだけというもので非営利団体、病院、低所得者向けアパートの屋根の塗装を白に塗り替えることで室内の温度を下げ、消費電力を抑える一方で周辺の気温も下げるという効果を狙ったものです。

記事によると、都市部では農村に比べアスファルトの道路やコンクリートのビルが、熱(太陽熱)を吸収するため、都市の温度は最大で約2.8度も高くなるといいます。一方で、都市の屋根に関する2014年の研究によると屋根を白色など明るい色にすることでワシントンやニューヨークのよう大都市では約1.7度ほど、カリフォルニアの都市では1.7度未満下がるという研究結果があるといいます。

アメリカではロサンゼルスでは道路を黒のアスファルトの上に白い塗装を塗り温度上昇を抑えるという対策も実施しており、過去の研究では白色にすることで表面温度が5.5~8.3度程度低くなるとしています。


日本では最近、東京オリンピックを控えサマータイムを導入し涼しい時間帯に競技を行うという策が練られているものの、幾ら時間を変えたところで気温変化という点ではまったく意味がありません。根本的に気温上昇を抑えるには都市構造そのものを変える必要があるのですが、『規制』という制限もあるのか具体的に気温上昇を抑える対策を実施しているという案は耳に入ってきません。