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人類が唯一到達したことがある太陽系の天体『月』。以前から、月の北極と南極のクレーター内などに氷があるのではないかという研究結果は報告されていたのですが、先日NASAが開発した観測装置により確実に氷がある証拠を見つけたと報じられています。

国内外の複数メディアによると、アメリカ航空宇宙局(NASA)はインドが2008年に打ち上げた月探査機『チャンドラヤーン1号』に搭載したNASAの観測装置、月面鉱物マッピング装置(M3: Moon Mineralogy Mapper)を用いて、月の極に氷が存在している証拠を見つけたと報じています。

Water Ice on the moon is definitively confirmed – NextBigFuture.com

具体的にどのように氷が存在しているのかについては極域の表面に氷が露出しているとしており、北極と南極にあるクレーター内部などに岩石と混ざるような形で氷が含まれているとしています。月面鉱物マッピング装置は液体の水または蒸気、そして固体の氷を区別することができ収集されたデータから確実に氷が存在する決定的な証拠としています。

▼月の極(左:南極、右:北極)における氷の分布
月の氷の分布
月は地軸の傾きが小さいため極のクレーター内は常に太陽の光が届かず影となっている場合があり、観測データによると氷が存在する地域の温度は最も温かいところでも摂氏-156度を上回ることがないとしています。

この氷の起源については詳細は明らかになっていないのですが、研究チームによると彗星が衝突した際に生成されたものである可能性が高いとしており今後探査機を送り込むなどしてその起源を明らかにしたいと話しています。

今回の発見は例えば人類が月で活動する上で貴重な水資源となる以外もロケットの燃料としても利用可能であり、月をベースとした宇宙開発が進む可能性も考えられます。

▼チャンドラヤーン1号
チャンドラヤーン1号
この歴史的な発見をしたチャンドラヤーン1号は2008年10月の打ち上げから10ヶ月後に姿勢を制御する装置が故障したことで2009年8月に通信が断絶。予定されていた95%の探査を終え活動を終了しています。

その後、長らく消息を絶っていたのですが2017年3月にNASAの研究機関の1つJPL(ジェット推進研究所)が、2台の大型電波望遠鏡を用いて38万km彼方にある全長1.5mのチャンドラヤーン1号を発見するという成果を上げています。研究によるとチャンドラヤーン1号は現在も月を周回し続けているとのことです。
通信不可能になったインドの月探査機発見、現在も月を周回中―NASA : ZAPZAP!