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先日ソユーズ宇宙船に穴が見つかり国際宇宙ステーションに滞在している宇宙飛行士らにより閉じられるという前代未聞の事態が発生したことに関して、この穴は地上で開けられていたことが明らかになりました。

先月28日、打ち上げれたソユーズ宇宙船の軌道モジュールで直径2mmほどの穴が見つかり国際宇宙ステーション(ISS)で空気漏れが発生していた事故について、ロシア国営メディアは地上で整備中に発生していたとして「責任者は特定された」などと報じていることが明らかになりました。当初、流星塵による穴と考えられていたものの現在は否定されています。

ソユーズ宇宙船の穴は整備の過失 ロシア「怠慢が原因」|全国のニュース|Web東奥

国営メディアによるとこの穴は整備中に故意ではなく過失で開けられたとしており、修理は行われたものの不十分だったとしています。そのうえで、穴はソユーズ宇宙船が打ち上げられる前の今年6月に開けられ、国際宇宙ステーションにドッキング後、穴を塞ぐために使われていたという密閉剤が乾燥し空気の圧力で再び穴が空いてしまったなどと説明されているそうです。

今回、どのような穴が開けられていたのか国際宇宙ステーションで撮影した写真を発見したので紹介していきます。
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Photo:NASA
こちらが宇宙飛行士により撮影されたソユーズ宇宙船の軌道モジュールに開けられた穴です。見ての流星塵というものではなくドリルを使い開けた穴が確認できます。周囲に付けられた塗装のハゲは穴をあける際についたものと考えられます。

現時点で一体何のために穴を開けたのか誰が穴を塞いだのかは報じられておらず、本当に過失で開けられたのかも分かっていません。

▼宇宙飛行士らにより応急修理された後の様子
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Photo:NASA
このソユーズ宇宙船は国際宇宙ステーションへ宇宙飛行士を輸送する唯一の手段となっており、現時点では穴の空いた宇宙船の安全性は保たれているとしており、予定通り宇宙飛行士3名が乗り込み地上に返さえる予定だとしています。

ただ、地上に返されるのは帰還モジュールだけ、穴が開けられた軌道モジュールは分離後に廃棄されるため地上での本格的な調査は行うことができないということになります。