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アメリカと対抗しているのか宇宙開発に力を入れているのは中国です。先日、中国で行われた科学技術に関するイベントで長征9号という地球低軌道に140トンの打ち上げ能力のあるロケットの開発が発表されました。

これは今月18日、World Conference on Science Literacy 2018で発表されたもので、中国の宇宙機関である中国国家宇宙局(CNSA)は第1段目の直径が10mに達する超大型ロケット『長征9号』を2028年に打ち上げると発表しました。

China to launch Long March-9 rocket in 2028 - Xinhua | English.news.cn

発表によると、長征9号は全長90m以上で長征5号の5倍の打ち上げ能力がある地球低軌道に140トン、月軌道に50トンを送り込むことができるとしてます。

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こちらが長征5号、6号、7号、8号、そして9号です。長征8号と9号については現在開発中です。長征9号のスペックとしては第一段に8基の液体酸素/液体水素エンジンと同じく液体酸素/液体水素エンジンを4基搭載した搭載したブースターを4本使用します。
上段は液体酸素/ケロシンを燃焼する大型のエンジンを2基、さらに3段目も2基のエンジンを搭載しています。これにより月軌道に3~5人を一度に送り込むことができるとしています。

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▲今年5月清華大学で発表されていた長征9号。ブースターを増減させた3つの派生型が確認できる
中国、月や火星を目指す超大型ロケット『長征9号』、詳細発表 : ZAPZAP!

打ち上げ能力について比較するとNASAが開発している月および火星開発に使用するSLSで最大の打ち上げの能力がある派生型で130~140トン、スペースXが先日発表したビッグ・ファルコン・ロケットが100トン、ブルー・オリジンのニュー・グレンが45トン、またロシアについてはソユーズ5というロケットの派生型で超大型ロケットを開発するといわれており性能としては地球低軌道に120~180トンの打ち上げ能力があるとしています。

何れにしても現時点で開発が発表されているロケットの中では最大のロケットとなっており月への有人打ち上げを目指す中国としてもアメリカに遅れをとれない計画で進めているものと考えられます。
また2028年の打ち上げ予定に関して、アメリカが計画通りに進めば月軌道にゲートウェイを完成させていると考えられ、その後の計画についてはアポロ計画以来途絶えていた米中による第二の有人月面着陸レースが始まると考えられます。