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韓国企業がラオスで建設していたダムの一つが決壊し土石流となり下流地域を襲った事故に関して、2ヶ月が経った現在は韓国から目立った支援がないと現地で不満が高まっていると報じられています。

韓国メディア『ノーカットニュース』によると、セーピアン・セーナムノイダム決壊事故について被害をうけたカンボジアの住人らが農作物や家畜、または学校から病院まで失ったものの韓国側が補償などを一切していないと不満を募らせているという記事を掲載しました。

[인터뷰] 라오스댐 피해주민 "한국을 미워하게 됐어요" - 노컷뉴스

このダムは韓国がODA(政府開発援助)事業の一環としてラオス南部に建設を進めていたのは大小7つのダムで構成されるダムで、その一つである小さい副ダムが今年7月23日、工事進捗率90%で大雨により決壊。下流に位置するラオスや国境を超えカンボジアにまで水害を与えていました。

事故後、韓国政府やダムを建設していたSK建設は救護チームを派遣したものの派遣されたのは比較的事故現場に近い地域に限定されていたらしく、カンボジアによると国境付近やカンボジアには支援は届かなかったと主張しています。カンボジアではラオスと国境を接する北部地域の85%の農地が浸水するという被害が出ており、被災者は15,000人に達していると発表してます。

また同じく支援が届かなかったというラオス南部の住民らも不満を募らせており、事故から2ヶ月が経ったものの未だにテント暮らしをしており下痢や腹痛といった病気が出始めており衛生状態が悪い状況が続いているといいます。

▼事故直後ラオス国内で建設が進めらたというSK建設による施設
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この事故で韓国側は事故直後に保護施設を建設していたものの、現在はこれ以外の目立った補償や対応は一切ないとしています。ただ、ラオスとは共同でアタプー県内に一時的宿泊所及び永住的住居区の建設は進めているものの、永続的居住地は完成まで概ね5年程度歳月を要するとしています。
カンボジアに対して被害地域の回復と再建のための計画はあるとしているものの、こちらに関しても具体的に何かを行っているという態度は記事を読む限りは確認できていないそうです。

事故後の対応の遅れは決壊事故の責任が誰にあるのかも重要になってくるのですがダムを決壊させたSK建設は事故に関する責任の所在について沈黙を続けており立場を明らかにしないという態度をとっています。