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アメリカで開発が進んでいるのはヴァルカンという新型ロケットです。アトラスとデルタロケット後継機として開発されているのですが、これに搭載される固体ロケットの燃焼試験が行われたと報じられています。

NASASpaceFlight.comによるとノースロップ・グラマンが開発した固体燃料ロケットモーター『GEM』シリーズの最新型となるGEM-63の初めての燃焼試験を行った様子を報じています。今回の試験では160もの項目と振動や音響、熱、軸、など様々なデータが収集されたといいます。

NGIS fires up GEM-63 motor destined for future ULA launches – NASASpaceFlight.com


今回の試験では110秒間の燃焼だったものの実際の打ち上げでは84秒、拡張型のGEM-63XLでは94秒の燃焼時間になるとのこと。GEM-63の推力は1基あたり373,000ポンド(約17トン)です。GEM-63は最初の打ち上げは2019年7月にアトラスVロケットに接続され打ち上げを実施。胴体を延長したGEM-63XLは開発中のヴァルカンロケットに搭載され2019年10月に初打ち上げを予定しています。

▼燃焼試験が行われたGEM-63
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GEM-63とGEM-63XLの違いについてはロケットモーターのノズルはGEM-63が54インチに対しGEM-63XLでは56インチあります。推進剤は今回の試験ではGEM-63が97,500ポンド(約44.2トン)だったのに対し、GEM-63XLでは105,900ポンド(約48.0トン)搭載してます。この固体ロケットはノースロップ・グラマンが製造してきたものの中で最も強力なロケットモーターとしています。

ヴァルカンロケットではGEM-63XLを最大6基搭載し打ち上げを行う予定です。

▼ヴァルカンロケットの構造
ヴァルカンロケット
*抄訳したものを掲載しています